現場マネジャーのためのMBA
スティーブン・ストラッザー(高橋則明訳)「MBAベイシック・マスター」、アスペクト(2005)
お奨め度:★★★★
実践的でないMBAのテキストというのはないのかもしれないが、非常に現場重視のMBAのテキストである。現場マネジャーにお奨めしたいMBAテキストである。
現場重視だと思う理由はいくつかあるが、まず、人間系から入っていることである。MBAのテキストは戦略マネジメントから入るものが多いが、実際に現場で使うのは人間系の知識だろう。チームビルディング、ネゴシエーション、リーダーシップなどの項目が並んでいる。この並びに、コンプライアンスがきているのも評価できる。
次がアカウンティングとファイナンス。そして、その次に戦略がくる。説明は簡潔で、すっと読める。
最後に、プロセスとシステムのマネジメントが取り上げられている。日本で出版されているMBAのテキストではあまりお目にかからない項目である。ここでは、
プロジェクトマネジメント
品質マネジメント
経営情報システム
などの項目が並んでいる。
現場マネジャーで、見よう見まねでやってきたが、限界を感じている人が多い。MBAコースで体系的にマネジメントを学ぶというが理想だろうが、現場マネジャーは忙しくて、そんな環境にはないという人が多いのも事実。そんな人が、とりあえず、手っ取り早くマネジメントを勉強したいという人にお奨めの一冊である。
そのあと、もう少し、詳しく勉強したければ、こちらがお奨め
現場を動かすマネジャーのノウハウ
目次
Ⅰ 人材、マネジメント、政策
第1章 人的資源
第2章 組織行動
第3章 リーダーシップとチーム・ビルディング
第4章 企業倫理
第5章 交渉
Ⅱ マネー:経済、財務、会計
第6章 会計と財務
第7章 世界、国内および地方の経済
Ⅲ 市場と戦略
第8章 マーケティング、戦略、競争的分析
第9章 広告とプロモーション
第10章 コミュニケーションとプレゼンテーション
Ⅳ システムとプロセス
第11章 プロジェクト・マネジメント
第12章 経営情報システム
第13章 電子商取引とワールド・ワイド・ウェブの利用
第14章 品質管理システム
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