マナーを考えよう
ピーター・ポスト(堀内久美子訳)「正統派男の行動学―覚えるマナーから考えるマナーへ」、オープンナレッジ(2006)
お奨め度:★★★★
生活のほとんどの場所が仕事の場になってしまっているせいか、マナーというのにあまり気をかけなくなってきた。
ヒューマンスキルだといっている中で、マナーの領域の話は意外なくらい多い。
たとえば、プロジェクトマネジメントの中で、ステークホルダマネジメントの重要性を盛んに言っている。そこでは、うまく聞くとか、伝えるとか、あるいは共感を得るといったスキルが重要なことはいうまでもないのだが、いくら、仕事の場だからといって、マナーが悪いことが障害になることは少なくない。
例えば、携帯電話のマナー。プロジェクト会議中に携帯電話を切らずに、それで後をひくコミュニケーショントラブルが発生したケースを何度となく見てきた。
あるいは、聞き方以前に、聞く態度の問題で相手が十分に情報を伝えなかったということも何度もある。これをスキルだけで片付けるのは無理があるような気がする。
一度、マナーというのを真剣に考えてみる必要があるのではないかと思う。もっとも基本的なところにマナーがあり、その上にヒューマンスキルがある。そんな発想が必要だろう。
この本は米国では割と有名な本である。
日常生活、コミュニケーション、人付き合い、仕事など、いろいろな場面でのマナーやルールが簡潔に述べられている。含蓄もある書き方だ。
一度読んで、自分のマナーについて、じっくりと考えてみてほしい。
目次
第一部 日常生活
1
日常生活のトラブル・ワースト3
2 家のかなめはキッチンとバスルーム
3 意外な盲点に要注意!
4 あなたは他人にどう見られているか
5 「クルマ」は人格を表す
6 効果的なコミュニケーションの三つのルール
7 円滑な人間関係はまず挨拶から
8 チップ(心づけ)のスマートな渡しかた
9 アスレチックジムでも油断は大敵
10 男のスポーツ----フィールドで、スタンドで
11 父親になる日
第二部 人間関係
12 人づきあいトラブル・ワースト3
13 デートは最高の思いやりをさりげなく
14 街は自分を演出する舞台だ
15 自分流・家でのもてなし
16 正しいテーブルマナー早わかり
17 いい泊まり客になる五つのカギ
18 口説くか、口説かないか
19 最良かつ特別の日----結婚式
第三部 ビジネスシーン
20 仕事でのトラブル・ワースト3
21 面接試験での五つの基本ルール
22 職場でよりよい人間関係を築くには
23
コミュニケーションツールの賢い使いかた
24 日常的なビジネスマナーを見直そう
25 接待と懇親イベントでの心得
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