意図された混乱
ヘンリー・ミンツバーグ(DIAMONDハーバード・ビジネスレビュー編集部編)「H. ミンツバーグ経営論」、ダイヤモンド社(2007)
お奨め度:★★★★
日本でも紹介されているミンツバーグのいくつかの著作を編集した本である。
の2冊がベースに、HBRのインタビューなどが加えられて一冊の本になっている。編集がよくて、ミンツバーグの特徴がよく現れた一冊になっている。
このブログでもマネジャーの仕事は何度か紹介しているが、ミンツバーグは考えるネタを提供してくれる著作が特徴である。マネジメントは複雑であるという思いがあるのだそうだ。
この本の原題は、邦題より大きく書いてある「Calculated Caos」である。意図された混乱とでもいえばよいのだろうか?意図して混乱させ、考えさせる。そこにミンツバーグの著作の本質があるといえる。
この記事を書くのにアマゾンのページを見たら、take_dさんという方が、司馬遼太郎を読むような感覚で読んでみてはどうかと書かれていて、なるほどと思った。
日本人はこの手の考えさせる本は好きではない。ノウハウもの以外は本に金を払う価値はないと思っている人が多いように思う。しかし、言われてみると、時代小説は好んで読み、それをマネジメントや自分の仕事に活かすというのは好んでする人が多い。
時代小説には答えが書いてあるわけではないが、刺激がたくさんあるのだろう。確かにミンツバーグをそのような感じで読めば、非常に面白い著作が多いのは間違いない。ナイスアイディアだ。
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