製品マネジメントを見直そう
吉本敦「開発力革命―技術立国から開発立国へ」、ソフトバンクパブリッシング(2004)
お奨め度:★★★★1/2
製品開発マネジメントは実証研究を中心にアカデミックな本は多いが、意外と実務家が読める本は少なく、いきなり実用書、ノウハウ本になる。
そんな中で、自社の開発した手法に基づき、しっかりとした論理と、実践的な手法をまとめた製品開発マネジメントの好書である。本としても適度に具体性があり、分かりやすいのがよい。
この本で提案されている手法は、プロセスマネジメントである。プロセスを評価し、改善することによって、製品開発力を挙げていくというプロセスであるが、評価の視点が、従来のような局所的なものではなく、全体最適の視点からの評価になっている。
著者によると、この全体最適な製品開発プロセスの欠如が日本の製品開発マネジメントの弱点であるとのことだが、この辺りは、本来、ナレッジマネジメントでカバーしてきた部分だ。そのプロセスを形式化することの是非はもう少し議論の余地があるように思うが、おおむね、この本に書いてあることには賛同できる。
目次
第1章 本当に大切なのは「開発力」
第2章 日本の製品開発の弱みは?
第3章 開発力を支配するプロセスとその問題点
第4章 改革へのアプローチ
第5章 開発プロセス改革の成功例
第6章 製造業の再生に向けて
第7章 おわりに―開発立国への道
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