ソフトウエアメトリクスを学ぼう
ローレンス・H・パトナム「初めて学ぶソフトウエアメトリクス~プロジェクト見積もりのためのデータの導き方」、日経BP社(2005)
お奨め度:★★★★
ソフトウエアメトリクスの入門書。しかし、本格的。
「プログラム規模」「時間」「工数」「信頼性」「生産性」の5つのメトリクスに注目し、その相関関係を分析している。そして、メトリクスをソフトウエア開発プロジェクトの見積にどのように使うかを議論している。難易度はそんなに高くないので、ソフトウエアエンジニアリングの知識がなくても読める。
一方で、6300件のプロジェクトのデータを分析しており、実践的である。これからメトリクスの勉強をする人にはお奨めの一冊である。
ソフトウエアメトリクスに関しては古くから、米国で名著が多い。古典的な名著といえば、なんといっても、
ケーパー・ジョーンズ「ソフトウェア開発の定量化手法」、構造計画研究所(1998)
である。初版が1993年に出版され、始めて、ファンクションポイント(FP)法を解説した本として注目を浴びたが、FPだけではなくソフトウエアメトリクス全般に非常に示唆にとんだ本である。その後、1998年に改版されている。このバージョンの翻訳がこの本。
この分野では、2000年以降、CMMIの普及やWeb環境の普及など、従来のメインフレーム系、オープン系とは事情が変わってきたが、今、読んでもいろいろな示唆がある。
ISO/IEC15939とCMMIを前提にしたメトリクスをまとめた本としては、
John McGarry「実践的ソフトウェア測定」、構造計画研究所(2004)
がある。この本は、ISO/IEC15939ソフトウェア測定プロセス規格の制定に直接関わってきた実務レベルの業界リーダ達が書き下ろしたソフトウェアの測定とプロセスおよびプロダクト改善の実践ガイドブックである。メトリクス本では、これが最もお奨めである。
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