羊の群れのようにチームを動かす
ケヴィン・レーマン、ウィリアム・ペンタック「頑固な羊の動かし方―1人でも部下を持ったら読む本」、草思社(2005)
お奨め度:★★★★
3年くらい前に、「成功するオフィス・ポリティクス」というちょっと変わった本が出版されている。社内政治を積極的に活用しようという趣旨の本だが、とても気に入っている本の1冊である。
この本と同じ川村透さんの訳の本だったので、手にとってみたら、面白かった。羊のメタファでどこまで実感がわくか微妙であろうが、テーマパークとかで羊の群れを操る光景を見たことがある人には、この本に書かれていることは、行間も含めて、とてもよくわかるだろうし、その意味ではよい本である。
例えば、羊の群れを追うときには、全体を見るのではなく、個々の羊の性格を知ってコントロールしないとうまく行かないなどは、非常によくわかる。マネジメントでも基本中の基本である。
イメージ的に、管理術を想像されるかもしれないが、基本的には自律型チームのマネジメントに関する本である。この本に書かれているリーダーの心得を見ると
・相手を信頼して、目標を高く設定すること
・こちらから信頼しないかぎり、相手に信頼されることはない
・自分の価値、ビジョンを伝え続ける
・マイナス思考の人間を排除する
といったことが書いてある。
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目次
プロローグ 偉大なCEOへのインタビュー
第1章 自分の群れを知れ──一人ひとりに目を向ける
第2章 羊たちの強みをつかむ──それぞれの個性を引き出す
第3章 羊と信頼関係を結ぶ──自分の哲学を伝える
第4章 安心できる牧草地をつくる──部下が力を出せる環境をつくる
第5章 杖でそっと彼らを導く──人を導く四つの方法
第6章 毅然とした態度で守る──本気で怒らなくてはならないときがある
第7章 羊飼いの心を身につける──リーダーにいちばん大切なもの
インタビューを終えて
訳者あとがき
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