リスクの本質を知る
Nick W. Hurst(花井荘輔訳)「リスクアセスメント―ヒューマンエラーはなぜ起こるか、どう防ぐか」、丸善(2000)
お奨め度:★★★1/2
ちょっと難しい本だが、読めば、リスクマネジメントが、なぜ、プロジェクトや、あるいは組織で、なかなかうまく行かないかがよく分かるので、そのような問題を抱える人には一読の価値がある本である。
ひとことでいえば、リスクとは何かをきちんと考えずに、見よう見まねでうわべだけのリスクマネジメントを導入しようというところに問題があるというところだ。
特に、3章で
“リスク-工学”
“リスク-人間”
“リスクとシステムおよび文化”
の三つの視点について、リスクをどう定量化しているかを議論しているが、この部分はきちんと読んでみたい。
このような思想をきちんと理解しておくと、今、プロジェクトマネジメントの一貫として行われているプロジェクトリスクマネジメントが効果を発揮しない理由、どうすればよいかという方向性のようなものが見えてくる。
リスクマネジメント、特にPMOのような形でアセスメントに関わる人には読んでほしい1冊である。
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【目次】
第1章 事故の因果関係に関するいろいろな見方―事故のケーススタディ
第2章 事故の因果関係のモデルと理論的アプローチ
第3章 リスクの評価―数値による定量的な表現
第4章 リスクと意思決定
第5章 考察と結論―ところでリスクアセスメントはどうなるのか
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