成功の教科書
原田隆史「成功の教科書」、小学館(2005)
お奨め度:★★★★1/2
「生活指導の神様」とまで言われる著者の「成功の技術」を体系化した本。
成功は「それ自身が技術である」と断言し、したがって、方法論ができるというのが著者の信念。そして、それを「原田塾」で教え、学校教育のみならず、ビジネス、企業でも大きな効果を挙げている。
成功とは
自分にとって価値のあるものを未来に向かって目標として設定し、決められた期限までに達成すること
だと定義しているが、そこで展開されている方法論は、納得性が高い。
特に共感できるのは、目標に業績目標と、「ルーチン目標」という2つの目標を設定していること。ルーチン目標とは、業績を上げるために一見無意味にさえ思える目標行動を繰り返し行うことで、「心作り」をするためのもの。
著者の指導する生徒で、砲丸投げで日本一になった生徒が、
「皿洗いと部活動を毎日欠かさなかった」
ことを勝因としてあげているというエピソードが書かれている。この手の話は、ビジネスの中でも誰もが感じていることだろう。
たとえば、毎日、プロジェクトで朝礼をやって成果を挙げているプロジェクトを知っているが、ルーチン目標の設定というのは間違いなく効果がある。しかし、多くの人は、それを精神論として言うだけであり、ゆえに、ほとんど実践されることはない。
この本では具体的にルーチン目標の立て方と実行の仕方を議論している。これだけでも読んでみる価値がある。
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