日本で一番売れているマイクロソフトプロジェクトの本
岡野智加「Microsoft Projectでマスターするプロジェクトマネジメント 実践の極意」、アスキー(2005)
お奨め度:★★★★
日本で一番売れているマイクロソフトプロジェクトの本。著者は、日本のプロジェクトマネジメント普及活動の草分けの1人、岡野智加さん。
MSプロジェクトの本というと、どうも、パワーポイント本とか、エクセル本とかのイメージがついて回るが、この認識は間違い。エクセルに例えれば、エクセルを使って、会計をどのようにやっていくかということを説明した本だと思ってよい。
まず、PMBOKをベースにしたプロジェクトマネジメントの方法があって、それを如何にMSプロジェクトを使って実行していくか。つまり、計画をどのように作るのか、進捗管理をどのようにするのかといったことを説明している本だ。
この本には2つの使い方があると思われる。
まず、一つはPMBOKプロジェクトマネジメントの導入をしている組織、あるいは、導入の計画を持っている組織が、PMISとしてMSプロジェクトを導入した場合にMSプロジェクトのトレーニングをするときのテキスト。
MSプロジェクトはシステム自体の操作が相当複雑であるので、このような形で学ぶのがもっともよいと思う。
もうひとつは、プロジェクトマネジメントの導入の際にMSプロジェクトを前提として行う場合に、プロジェクトマネジメントの枠組みそのものをトレーニングするときのテキスト。
いわゆるPM本は、読んでいるとふんふんとうなづきながら読むが、読んだことはあまり実践に結びつかない。その点、この本を使ってプロジェクトマネジメントのトレーニングをすると、実践に直結するのではないかと期待できる。
プロジェクトマネジメントの基本プロセス
基本プロセスの概要
テンプレートファイルによるデータの標準化)
基礎編―プロジェクト成功の基本!『タスクのスケジュールの最適化』(スコープ計画とスコープ定義
新規プロジェクトファイルの設定 ほか)
応用編―プロジェクト成功のために重要!『リソースとコストの最適化』(プロジェクトメンバーの決定
役割と責任分担の明確化 ほか)
活用編―プロジェクトを成功裡にするために『進捗管理』(基準計画の保存
実行と監視コントロール概要 ほか)
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