アジャイルプロジェクトマネジメント解説の決定版
ジム・ハイスミス(高嶋優子、小野 剛、平鍋健児訳)「アジャイルプロジェクトマネジメント 最高のチームづくりと革新的な製品の法則」、日経BP社(2005)
お奨め度:★★★★1/2
製品開発プロジェクトマネジメントの研究は日本でも自動車業界を中心に進んでいるが、基本的にはリーン開発に焦点が当たっている。
つまり、如何に早く開発するかである。最近は、ここに、マルチプロジェクトマネジメント、プログラムマネジメントなどが加わり、投資の最適化により、戦略的な製品を如何に、早く市場に出すかという議論も多くなってきている。
自動車のような商品は開発リードタイムが極めて重要であった。リードタイムを短くすることによって競争力を保つとともに、ユーザニーズの短縮化に対応する意味があった。つまり、ユーザニースの変化が激しくなる中で、如何に変化する前にたくさん売るかである。
この辺の議論は
延岡健太郎「マルチプロジェクト戦略―ポストリーンの製品開発マネジメント」、有斐閣(1996)
に詳しい。
しかし、もっとユーザのライフサイクルが早くなると、ライフサイクルの短縮だけでは対応できなくなる。最初から、途中で仕様が変化することを前提に、プロジェクトを進めていく必要がある。このようなプロジェクトマネジメントの手法がAPM(アジャイルプロジェクトマネジメント)である。
APMはソフトウエア分野では大いに注目されているが、一般的な製品開発の分野にも適用できることがこの本を読むとよくわかる。
製品開発担当者、必読の一冊です!
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