PMstyle 2025年7月~10月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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2015年2月 6日 (金)

【PMスタイル考】第98話:ソフトウエアについて考える

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Soft◆日本はソフトウエアが苦手

筆者は15年くらい前までソフトウエアエンジニアリングの研究開発に従事してしましたが、昔から

日本はソフトウエアが苦手

という思いがあります。

いわゆるソフトウエア品質に関していえば国際的なレベルでいっても高いと思います。品質とは何かという議論もありますが、仕様が決まったソフトウエアを決めたとおりの仕様で作る能力は極めて高いと思います。バグの少ない高品質のソフトウエアを作ることができます。

では、なぜ、そう思っているのかということですが、ソフトウエアというものに関する認識の違いです。



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2015年1月23日 (金)

【PMスタイル考】第97話:ステークホルダーとエンゲージメント

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Engage

◆ステークホルダーとステークホルダーマネジメント

マネジメントにおける非常に重要な概念にステークホルダーという概念があります。ステークホルダーとは

企業・行政・NPO等の活動によって直接的・間接的に影響を受ける人々や団体など利害関係者

のことで、たとえば、消費者(顧客)、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関などを指しています。

プロジェクト(イニシアチブ)にもステークホルダーという概念はあり、プロジェクトマネジメントの米国標準であるPMBOK(R)では

「プロジェクトに積極的に関与しているか、またはプロジェクトの実行あるいは完了によって自らの利益がプラスまたはマイナスの影響を受ける、顧客、スポンサー、母体組織、一般大衆のような、個人や組織」

という定義がされています。また、ステークホルダーマネジメントという概念もあり、

「ステークホルダー特定」
「ステークホルダーマネジメント計画」
「ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント」
「ステークホルダー・エンゲージメント・コントロール」

という4つの要素から構成されることになっています。

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2015年1月21日 (水)

【PMスタイル考】第96話:イノベーションの構図

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◆イノベーションの重要性

イノベーションは脈々と語られてきたテーマです。しかし、この数年、イノベーションの重要性はこれまでにないくらい高まってきています。

10人のマネジャーに「あなたの会社でイノベーションは必要か」と聞けば、10人とも必要だというでしょう(ただし、「あなたの部門でイノベーションは必要か」と聞くと答えは微妙です)。アベノミクスでもイノベーションがキーワードの一つになっています。

では、なぜ、イノベーションが重要なのでしょうか。

2000年になってから、「変化」、「チェンジ」が盛んに言われるようになってきました。イノベーションとは、

変化のための新しい方法を見つけること

です。つまり、「変化」を実行するためにはイノベーションが必要なのです。これがイノベーションの必要な理由で、極めてシンプルです。

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2014年12月15日 (月)

【PMスタイル考】第95話:コンセプチュアルスキルで顧客の期待を超える

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◆iPhoneは顧客の声で作れるか

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アップルもスティーブ・ジョブズからティム・クックにバトンが渡り、ジョブズの時代には考えにくかった宿敵IBMとの提携など、独自の戦略でさらなる成長をしようとしています。同時に、製品はあまり目新しさがなく、それを批判する人もいますが、まあ、そこは、価値観の問題だといえるでしょう。

最近のアップルを見ていて思ったのは、iPhoneの最新バージョンであるiPhone6は最初の1ヶ月でこれまでにもっとも売れた製品ですが、iPhone5からiPhone6は顧客の声を聞いていたら作れそうな気がします。実際にスペックを見てもたとえばサイズを大きくしたことなど、顧客の声を取り入れて作ったように見えます。

ところが、初代のiPhoneは顧客の声を聞いていてもできなかったでしょう。そもそも、この段階では顧客とは誰かという問題もありました。iPhoneの2代目以降は主たる顧客は既存ユーザで比較的明確だったわけですが、顧客の声をあまり聞かないという傾向はiPhone3くらいまでは顕著だったように思えます。

良くいえば、顧客の期待を超える製品を出し続けてきた結果として、今のiPhoneがあると言ってもいいでしょう。事実ジョブズの有名な言葉に「ユーザは自分が何が欲しいのか分かっていない」という言葉がありますが、まさにこの前提で顧客の期待以上の製品を生み出してきたといえるでしょう。

今回のテーマは、顧客の期待を超えるにはどうすればよいかを考えてみたいと思います。

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2014年12月 2日 (火)

【PMスタイル考】第94話:プロジェクト・イニシアチブの3本の矢~業務遂行・価値創造・人材育成

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Ya_2◆業務遂行・価値創造・人材育成

プロジェクト・イニチアチブということでプロジェクト活動を活用し、高業績の組織を創っていくことを提唱しているが、プロジェクト・イニシアチブには大きく分けると3つの役割がある。

一つは業務遂行であり、二つ目は価値創造である。そして、3つ目は人材育成である。プロジェクト・イニシアチブはこの三つの役割がバランスよく実現できたときに、経営の強力なツールとなり得る。

今回のPMスタイル考はこのような視点から、プロジェクト・イニシアチブについて考えてみたい。



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2014年11月15日 (土)

【PMスタイル考】第93話:質的効率を追求するプロジェクトマネジメント

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Kaizen

◆量的効率と質的効率

効率というと一般的には量的な効率をイメージすると思います。高度成長期から、生産量とか、売上などをいかに効率よく大きくするかに注力をしてきたわけですが、この追求の中で、品質の高い製品を大量に少しでも安く提供するという価値観が定着してきました。これが効率化です。

これに対して、国際政治学者の中西輝政先生が「質的効率」という概念を提唱され、これからは質的効率の時代だと指摘されています。中西先生は質的効率を

売れる売れないというまえに、ともかく「他社が作っていない物を」と考えを切り換え、その「違い」や「差別化」を大切にする。それが質的効率です。

と説明されています。ちなみに、中西先生は、従来の効率化を量的効率と区別する意味で量的効率と呼ばれています。

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2014年10月28日 (火)

【PMスタイル考】第92話:振返りの質を高める

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◆4人に3人は感じた教訓を活かさない

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プロジェクトで仕事をしている企業では、プロジェクトから得られるナレッジの質をいかに高め、いかに活用するかが生命線だと言えます。

欧州のPMコミュニティであるIPMA Conference 2000の発表論文「Managing Projects Management Knowledge」の中に以下のような調査があります。

・プロジェクトから教訓を感じる 75%
・プロジェクトの教訓を覚えている 62%
・教訓を誰かに伝える 55%
・教訓を別のプロジェクトに適用する 25%

これから分かるように、プロジェクトマネジャーの4人に3人はプロジェクトで何かの教訓を感じているのに、教訓を別のプロジェクトに適用する人は4人に1人にすぎません。つまり、半分のプロジェクトマネジャーは何か教訓を感じても、何もしていないということになります。

これはナレッジギャップの問題と呼ばれますが、なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?いろいろな原因があると思われますが、根本的な問題として

ある状況の経験を別の状況でうまく活用できない

という問題があるように思えます。一つのプロジェクトの中でも言えますし、複数のプロジェクト間でも言えることです。一言でいえば、振返りが有効に機能していないいうことです。



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2014年10月17日 (金)

【PMスタイル考】第91話:日常業務の一環としてイノベーションを実現する

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◆イノベーションは大上段に構えて行うもの?

イノベーションという言葉は、大上段に構えて何かやるというイメージがあって、コストが大きく現実的ではないと考えられたり、リスキーなことはやりたくないと思われることが多いようです。

このような認識が生まれたのは、イノベーションがずっと発明(インベンション)、あるいは、技術革新として位置付けられてきて、それにはコストもかかれば、時間もかかるという認識があるためだと思われます。

しかし、これは明らかな誤解で、イノベーションはそういうものではありません。イノベーションに求められるのは日常業務の中で行うことです。イノベーションができない言い訳に日常業務が忙しいからだという言い訳がありますが、そうではなくて、日常業務の一環として行うことです。仮にイノベーションのために時間がかかるとすれば、それは半期なり、年度なりの周期で取り戻す必要があるのです。

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2014年9月29日 (月)

【PMスタイル考】第90話:リーダーのスキルとしてのデザイン

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◆経営はデザインそのものである

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PMスタイル考で以前デザインについて書いたのが、2年くらい前です。

【PMスタイル考】第53話:プロジェクトのコンセプトとデザイン

この2年間の間に、デザイン思考という言葉がずいぶん普及してきて、同時にデザイ
ンが経営との関係で語られることが増えてきました。そこで、久しぶりにデザインに
ついて考えてみたいと思います。

最近、タイトルが印象に残った本に、博報堂コンサルティングの書いた「経営はデザ
インそのものである」という本があります。内容はイマイチなのですが、意図は十分
に共感できました。まさに、そういう時代なのだと思います。



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2014年9月18日 (木)

【PMスタイル考】第89話:変化の時代の自信について考える

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Jisin◆自信か、謙虚さか

錦織圭選手がアジア人として初めてテニスのグランドスラム大会で決勝に進み、日本中が盛り上がりました。

その錦織選手は準決勝を前にして

「勝てない相手も、もういないと思う」

といったインタビューでいったといいます。

日本人は謙虚さを大切にします。そして、このような発言をすると、「謙虚さが足らない」とか、「自信過剰だ」と叩かれます。そして、「フェデラーと決勝で対戦するのはワクワクする。彼は偉大な選手で、昔から憧れだった」といったコメントが好まれる傾向があります。

実際に準決勝に勝つまではこの発言を批判していた評論家もいました。しかし、今回の錦織選手の活躍は、自信を持つことが如何に重要かよく物語っているように思います。

もちろん、日本人は本音を言わず、処世術として、フェデラー云々的なコメントをいうことがあります。その意味で、自信を持つことと、口に出すことは別だと考える人は少なくないと思いますが、その点は認識しつつも、あえて自信を持つことの重要性について語ってみたいと思います。



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