PMstyle 2025年7月~10月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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2015年12月18日 (金)

【PMスタイル考】第109話:システムとチーム

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System3

◆変わるシステムのイメージ

著者は30年前にシステム工学科という学科を出ましたが、システムという言葉のイメージはずいぶん変わってきたように思います。当時はシステム工学科には4つのゼミがあり、システム理論、メカトロ、制御、情報の4つでした。

今はシステムというと情報システムをイメージする人が多いように思いますが、本来システムは、さまざまな要素が組み合わさったものです。モノだけではなく、組織や人なども組み合わさってシステムになります。その組み合わせにITが不可欠なため、このようなイメージになってきたものと考えられます。

ところが、面白いことに、最近、またシステムが本来のイメージに変わりつつあります。その原因になっているのは、おそらく、IoTのような技術です。これまではモノとITは別でしたが、IoTによってモノとITが一体化してきました。

このようになってくると、システムをシステムとして認識しておかないとビジネスもマネジメントもうまくいきません。今回はこの問題を取り上げてみたいと思います。

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2015年12月 4日 (金)

【PMスタイル考】第107話:共有について考える

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Kyoyu

◆共有の目的

よいチームはコミットメントの共有から生まれるといいます。共有するとはどういうことか。今回のサプリはこの問題を考えてみたいと思います。

まず、共有の目的ですが、これはいろいろな議論があると思いますが、最終的にはメンバーの一人一人が経営者と同じ目線で動いているようにすることに尽きるように思
います。

もちろん、経営者と管理者、リーダー、担当者はそれぞれ別の役割を果たしているわけですので同じものを見ているわけではありませんが、だからこそ自分たちの担当する範囲を経営者と同じ目線で見ることが大切なのです。

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2015年11月30日 (月)

【PMスタイル考】第106話:プロジェクトで人を育てつつ、利益を上げる

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◆プロジェクトに求められる役割

久しぶりにプロジェクトのネタです。

プロジェクトで仕事をすることは素晴らしいことですが、最近、人が育たないという声をよく耳にします。もう少し、正確にいえば、人が育っていないというよりは、必要な人材が育っていないという状況があるようです。従来は、プロジェクトで業務をやっていればリーダーはもちろん、参加するメンバーも必要なスキルは身についていました。身につけなくてはならないスキルがテクニカルスキルであり、加えてヒューマンスキルが身につけばよかったわけです。

ところが今の時代はそうはいきません。イノベーション活動に代表されるように、どんどん新しいアイデアを考え、新しい技術を開発し、身につけていかなくではならないからです。そう考えると、プロジェクトでどのように業務を行うかは今までとは異なる発想で考える必要があります。

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2015年10月 2日 (金)

【PMスタイル考】第105話:スキルアプローチ考~マネジャーはスキルで評価されるべきか、人で評価されるべきか?

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Skill

◆ロバーツ・カッツが示したスキルアプローチ

ロバート・カッツのコンセプチュアルスキルについて書いた有名は論文のタイトルをご存知でしょうか?

「スキル・アプローチによる優秀な管理者への道」 Harvard Business Review(1955)

という論文です。ここでスキルアプローチという言葉が出てきます。今回のコラムはこの話をしたいと思います。

この論文のリードに以下のように書かれています。

優秀なマネジャーとは、どのような人かではなく、何ができるかによって判定することが求められる

今、考えるとさほど違和感はないと思いますが、もう60年前のことですから、かなり、画期的な主張であったことが分かると思います。マネジャーは何かができるより、まず人物だと考えられていた時代です。

ただし、部長や事業部長になっても、業務スキル(テクニカルスキル)が役に立つわけではありません。何か別のスキルが必要だと考えて、発見したのがコンセプチュアルスキルだというわけです。

言い換えると、テクニカルスキル、ヒューマンスキルだけだったスキルにコンセプチュアルスキルを加えて初めてスキルアプローチが成り立つといってもよいでしょう。

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2015年8月10日 (月)

【PMスタイル考】第104話:ビーイング・コンセプチュアル

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◆ビーイング・デジタル

イノベーションの分野において、デザインを中心に考えるIDEOと双璧をなす機関に、テクノロジーを中心に考えるMITのメディアラボがあります。マンマシンインターフェースへの新しい取り組みを研究する研究所で、さまざまなチャレンジをしています。現在、日本人の伊藤穣一さんという方が所長として活躍されていることで、日本でもその活動に関心の高い機関です。

そのメディアラボを1985年に創設したのは、ニコラス・ネグロポンテという計算機科学者です。ネグロポンテ氏はもう一つ大きな影響を与える活動をしており、それは、1992年にコンピュータ関係の雑誌Wired Magazineの創刊に関わったことです。創刊に協力し、月に一度コラムを寄せ、基本的なテーマをこう何度も繰り返しました。

「アトムからビットへ」

そして、ビットが構成する新しい世界を「デジタルであること」(ビーイング・デジタル)と呼びました。まさに、今の世の中を予言していたと言えます。

おそらく、ビーイングデジタルはこれからも進展していくのだと思いますが、これからはデジタルとともに、新しいビーイングが注目されるでしょうというのが今回のPMスタイル考のテーマです。

それは、コンセプチュアルです。

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2015年7月14日 (火)

【PMスタイル考】第103話:「本質」論

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◆本質論の書籍が売れている!

本質という言葉が目立つようになってきました。コトバの流行は書籍に如実に現れるといいますが、好川がやっている書籍サイト「ビジネス書の杜」で2015年1月~6月のベスト3は

【1】グレッグ・マキューン「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」、
かんき出版(2014)

【2】森川 亮「シンプルに考える」、ダイヤモンド社(2015)

【3】ドネラ・H・メドウズ「世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質
をつかむ考え方」、英治出版(2015)

で、すべて本質について述べた本でした。

そこで、今回のPMスタイル考は「本質」について考えてみることにします。

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2015年6月29日 (月)

【PMスタイル考】第102話:モノづくりからコトづくりへ

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Dron◆モノづくりから、コトづくりへ

よくモノづくりから、コトづくりへと言われます。モノづくりとコトづくりはどう違うのでしょうか。

イメージ的にはモノづくりは製造業がこれまでやってきたことで、コトづくりはモノを使った付加価値づくりで、たとえばソリューションサービスのようなイメージがありますし、さらにいえばアップルに代表されるようにブランディングのようなイメージにもつながってきます。今回のPMスタイル考はこの問題を取り上げてみたいと思います。

モノづくりからコトづくりが頻繁に言われるようになってきたのは、おそらくアップルがiPod(携帯オーディオ)の展開を始めてからだと思われます。携帯オーディオではそれまではソニーのウォークマンの独壇場で、デジタル化にも早々に対応し、独壇場は続くと考えられてきました。

ところが、iPodをつくったスティーブ・ジョブズはiPodは単に携帯用オーディオとしてiPodを提供するだけなく、iTuneという仕組みを作り、音楽をオンラインで1曲ごとに購入できるサービスを展開しました。それまではCDを購入して、録音しnていたことを考えると、大変な付加価値を提供したわけで、まさにコトづくりをやってのけたわけです。

このあたりから、ハードウエアは入れ物で、ソフトウエアで競争するという方向に大きく変わってきました。ただし、ハードウエアはコトづくりの対象から完全に外れたかというとそうでもありません。この点については、あとでお話します。

表面的には、モノづくりからコトづくりへということで、ハードウエア作りからソフトウエア作りに代わったわけですが、この話はもう少し奥があります。そこを考えてみたいと思います。



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2015年6月10日 (水)

【PMスタイル考】第101話:創造性と生産性の不思議な関係

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Tenbin_2◆創造性と生産性

一般的に創造性は生産性と相反するものとされます。

生産性を高めるには、ゴールを明確に規定し、ゴールにたどり着く手順をできるだけ標準化し、標準を無駄のないものに改善していくというイメージがあります。これに対して、創造性の高いやり方は、ゴールを自由に設定し、やり方を自由に考えながら、失敗による手戻りを厭わず、進めていくイメージがあります。このため、両者は水と油のような関係にあると考えられているわけです。

ハーバード・ビジネス・レビューの2014年11月号で「創造性vs生産性」という特集がありました。その中で立命館大学の琴坂将広准教授は、企業は創造性によって提供価値を大きくする一方で、生産性を高め、生産費用の低減をしなくてはならない困難に直面しているとした上で、ウィリアム・アバナシーの「生産性ジレンマ」を取り上げ、その両立の困難さを指摘しています。

Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2014年 11月号
│特集│ 創造性 vs. 生産性

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2015年4月10日 (金)

【PMスタイル考】第100話:コンセプチュアルスキルを再定義する~「視点のダイバーシティ」をもたらすコンセプチュアルスキル

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◆古くて新しい問題「コンセプチュアルスキル」

PMスタイル考の記念すべき100話のテーマをいろいろと考えましたが、コンセプチュアルスキルとダイバーシティという2つの大きなテーマを組み合せたテーマにしました。

コンセプチュアルスキルはこの数年、力を入れて取り組んでいる分野ですが、「考え抜く」マネジメントというPMstyleの基本スタイルの基盤になるものです。その意味で、100話目にふさわしいテーマです。

PMstyle+では別途、「」という連載もやっていますが、この第1回にコンセプチュアルスキルの起源のようなものを書きました。ちょうど、2年くらい前の記事です。

【コンセプチュアルスタイル考】第1話:コンセプチュアルスキルの時代

この記事にも書きましたように、コンセプチュアルスキルはハーバード大学のロバート・カッツ教授が、1955年にハーバードビジネスレビューに発表した論文

ロバート・L・カッツ「スキル・アプローチによる優秀な管理者への道」 Harvard Business Review(1955)

でコンセプチュアルスキルという言葉を使ったのが起源だといわれています。この論文は、工場で働くマネジャー(工場長)にどのようなスキルが必要かを調査・分析し、整理したものです。もう50年以上前の話ですが、未だに多くのマネジャーはコンセプチュアルスキルが弱いといわれますので、古くて、新しい問題です。

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2015年2月25日 (水)

【PMスタイル考】第99話:プロフェッショナルからタレントへ

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◆注目されはじめたタレントマネジメント

Paretoタレントマネジメントというマネジメントがあります。例によって米国生まれのマネジメントで、この分野でもっとも影響力を持つ米国人材マネジメント協会SHRMでは

人材の採用、選抜、適切な配置、リーダーの育成・開発、評価、報酬、後継者養成等の各種の取り組みを通して、職場の生産性を改善し、必要なスキルを持つ人材の意欲を増進させ、その適性を有効活用し、成果に結び付ける効果的なプロセスを確立する
ことで、企業の継続的な発展を目指すこと

と定義しています。

非常に抽象的な定義ですので、よく分からないという方もいらっしゃると思いますが、要は、タレントとは、人材の持つ才能、技術、経験、業績などのことで、それを適材適所で仕事をできるようにしようというマネジメントだと考えればいいと思います。

日本でもたとえばIT業界ではITスキル標準という体系を作って、業界としてタレントマネジメントを行えるようにし、一定の成果を生み出しています。

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