PMstyle 2025年9月~12月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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2013年4月11日 (木)

【コンセプチュアルスキル・トレーニング】宅急便はグローバル化できるか

日本が誇るサービスの一つに宅急便があります。宅急便の歴史は、昭和の名経営者の一人だった小倉昌男氏が構想したものです。

高速道路の整備に伴う長距離運送事業へ乗り遅れた大和運輸の小倉社長は、「集荷・配達に手間がかかる小口荷物より、大口の荷物を一度に運ぶ方が合理的で収益が大きい」という業界の常識を疑い、単価の高い小口荷物にビジネスチャンスを見出そうとします。そして、1975年に「宅急便開発要項」を社内にうちだし、若手を中心にして宅急便プロジェクトを発足させます。

当時、小口荷物を扱っているのは郵便小包(6Kgまで)と、国鉄(30Kg)まで、郵便小包は宅配だったものの、送るときには郵便局に持っていく必要がありました。また、国鉄は駅まで取りにいく必要がありました。

Takuhai このような状況の中で、プロジェクトは

「電話1本で集荷・1個でも家庭へ集荷・翌日配達・運賃は安くて明瞭・荷造りが簡単」

というサービスを構想します。そして、この構想を大変苦労しながらも徐々に実現し、宅急便は日本になくてはならないインフラになっていくわけです。

さて、ここで質問です。宅急便は他の国でもできるのでしょうか?

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2013年4月10日 (水)

【告知】リーダーとしての持論を持とう!

Jiron 2012年にPM養成マガジン10周年記念イベントとして、「プロジェクトリーダー」としての持論をつくるというアクティビティを行いました。

アウトプットの質も高かったですし、参加者自身の評判もよかったので、定期的な活動として行うことにしました。

この活動をしている中で、プロジェクトリーダーに限定せずに、いろいろな人が混ざったほうが面白いことに気が付きましたので、今回は「リーダー」全般を対象に行いたいと思います。つまり、

リーダーシップの持論をつくる

という活動としてやりたいと思います。

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PMstyle2013~イノベーション講座

Pmstyle_2013 ビジネスのニュースでイノベーションという言葉を聞かない日はないくらい、イノベーションに対する関心が高まっています。

企業にいって話をしてみると、やはり関心の高さは感じますが、一方で誰と話しても「他人事」です。簡単にいえば、イノベーションは必要だが、自分の役割ではないというのがもっとも多い態度なのです。イノベーション担当を決めている企業もまれにありますが、決まっていない限り、自分の問題としてとらえている人は非常にまれです。
しかし、現実には企業の中のあらゆる仕事において、イノベーションが必要な事柄があります。このギャップを埋めることが必要ですが、そのカギを握っているのは、リーダーとマネジャーです。あらゆる業務でリーダーとマネジャーの立場にある人は、自分たちの仕事でイノベーションすべきことは何かと真剣に考える時期にあります。

今年度、イノベーション講座をデザインするにあたって、もっとも重視したのはこの点です。講座の基本コンセプトは

「イノベーションは目的である」

です。

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2013年4月 8日 (月)

【PMスタイル考】第66話:チームになろうよう

Term ◆日本の最大の問題はチームがないことだ
 
昨年になりますが、米国の起業家である齋藤ウィリアム浩幸さんが、「ザ・チーム」という本を上梓された中で、「日本にはグループはあるが、チームがない。これが日本の最大の問題だ」と指摘されました。この指摘は多くの人に衝撃を与えました。日本人の多くは、自分たちはチームワークがよく、チームで仕事をしていると思っているからです。
 
齋藤ウィリアム浩幸「ザ・チーム (日本の一番大きな問題を解く) 」、日経BP社(2012)
 
5年以上前になりますが、PM養成マガジンでセミナーを盛んに行ってきたときに、実はチームをテーマとして手掛けようとしたことがあります。何回かワークショップをやって、いろいろと事情があって挫折してしまったのですが、このとき、いろいろと学ぶことがありました。
 
 

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【告知】コンセプチュアルスキルに関する疑問に答えます!

Concept
PMstyleプロデューサーの好川哲人です。
 
コンセプチュアルスキルの開発に力を入れていこうと思い、張り切っているのですが、なかなか、ピンとこないという人が多いようです。リーダーシップ、コミュニケーション、ネゴシエーションといったヒューマンスキルは比較的わかりやすいですが、どうも、コンセプチュアルスキルというのはわかりにくいようです。メールやfacebookで質問をいただくこともあり、回答を兼ねてご紹介したいと思います。
 
<1>そもそも概念ってなんですか
<2>抽象化と概念化ってどう違うのですか
<3>コンセプチュアルスキルがないと何が問題ですか?
<4>モデリングや設計ができるので、コンセプチュアルがあると思っていいですか?
 
 

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2013年4月 1日 (月)

【告知】コンセプトレベルでイノベーションを起こす~WalkmanがiPodに負けた理由

Innovatio1 イノベーションはさまざまなレベルのものがありますが、画期的だと言われるものはコンセプトレベルでのイノベーションです。

ソニーがウォークマンを開発したときに考えたコンセプトは、歩きながら音楽を聴くというものでした。それまでのオーディオの前に座って音楽を聴くというコンセプトをひっくりかえした大変なコンセプトだったわけです。

その後、メディアがカセットテープからMD、CD、ICメモリと変わり、競合製品は出てきましたが、ウォークマンはiPodが現れるまで独り勝ちを続けてきました。iPodはどうしてウォークマンに勝つことができたか。ICメモリだけでいえば、先に実現したのはウォークマンでした。

iPodが登場するまでは、ソニーも含めて、ソニーがウォークマンで設定したコンセプトで競争がされていました。コンセプトが同じなら、ブランド力がある方が勝ちます。ところが、アップルは音楽を持ち歩くというコンセプトを打ち出しました。技術的にみれば、ICメモリの容量が数十メガか、数十ギガかという違いです。しかし、コンセプトが違い、自分自身が持っている音楽ライブラリを持ち歩き、好きな時に好きな曲を聴くというコンセプトを打ち出しました。そして、あっという間にウォークマンの市場を奪います。

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【PMスタイル考】第65話:概念化で体験を経験に変える

Keiken2 ◆注目される「エクスペリエンス」

最近、注目されている言葉に「エクスペリエンス」という言葉があります。たとえば、アップルはジョブズの時代から「エクスペリエンス」という言葉を使っていました。最近では、マイクロソフトが、Windows8とか、Office2013で「エクスペリエンス」という言葉を使っており、これで認知度が高まりました。

辞書を引くと「エクスペリエンス(experience)」とは、体験とあります。アップルやマイクロソフトがいう「エクスペリエンス」はどこでもできる単なる体験ではなくて、「特別な体験」、「これまでになかった体験」といった意味でなのでしょう。たとえば、アップルストアにいくと、特別な体験ができる。

さて、「experience」という単語には体験以外に、経験という言葉が当てられることもあります。体験と経験はどう違うのでしょうか?これも辞書で引いてみると

体験とは自分で実際に経験すること

となります(これ英語でどう表現するのでしょうか)。

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【告知】「見えないものを扱う技術」を探求する

Conceptual1 日経BPビジョナリー経営研究所の谷島宣之さんが、マネジャーやリーダーの活動の中で、「見えないものを扱う技術」の重要性がどんどん、増していると指摘をされています。たとえば、

・目指す方向をビジョンとして示す
・戦略実行のシナリオを作る
・シナリオを計画にする
・意思決定をする
・創造性を上げる
・チャレンジ精神を高める

といったことです。このような活動には、コンセプチュアルスキルが必要です。コンセプチュアルスキルは「概念」という見えないものを扱うスキルで、マネジャー、リーダーに不可欠なスキルです。

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2013年3月19日 (火)

【お知らせ】スマートフォンに対応しました

Smartphone1_3 PMstyleブログのプロバイダーの変更に伴い、スマートフォンに対応できるようになりました。

会社のPCからはアクセスできない方は、ぜひ、スマートフォンからどうぞ!。

2013年3月15日 (金)

2013年度の重点テーマは、「プロジェクトの活用」~プロジェクト活用講座

Pmstyle_2013 2013年度のPMstyleの重点テーマは、「プロジェクトの活用」です。

日本では、2000年くらいから「プロジェクトマネジメント」のブームがやってきました。目の前にある「プロジェクト」を失敗せずに行うために多くの企業が着目したのがリスクマネジメントで、徹底的にリスクマネジメントを行い、リスクを回避することにより、失敗率の減少とそれに伴う収益率の向上いう素晴らしい成果を上げることができました。

一方で、そこで忘れてきたものがあります。それが、「どんな仕事がプロジェクトとしてやる価値があるのか」という問いに対する答えです。

プロジェクトには開発や生産といった非定型の定常業務を行うオペレーション型のプロジェクトと、創出や変革を行うイノベーション型のプロジェクトがあります。

オペレーション型のプロジェクトではどうやるか(How)が問題になります。これまで、プロジェクトマネジメントを使って、Howをうまく考え、収益性を向上させてきました。

これに対して、イノベーション型のプロジェクトでは何をやるか(What)が問題になります。もう少し正確にいえば、イノベーション型のプロジェクトでは、企業の戦略やビジョンの実現を前提にして、何をやるかが問題になります。その結果、企業は成長をしていきます。今までこの部分をあまり考えてきませんでした。

今、イノベーションは競争力の源泉というよりは、企業は変わり続けないと生きていけない時代だと言われています。まさにイノベーションの時代です。イノベーションの時代には、Whatを決め、プロジェクトして実施する中で、これまで培ってきたプロジェクトマネジメントの技術を使って成功させていくことが求められます。

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