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2020年7月

2020年7月13日 (月)

【コンセプチュアルスタイル考】第54話:「どうやるか」に留まらず、「何をするか」を考える~閉じた場から開いた場へ

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【参考文献】
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim
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◆改善だけでイノベーションができない日本

Open5
この10年くらい、日本のビジネスパースンは「どうやるか」を考えることは得意だけど、「何をするか」を考えることは苦手だと批判されることが多くなってきました。このような問題が頻繁に指摘されるようになった背景には、時代的に変化しなくてはならない状況であるにも関わらず、出てくるのは改善のアイデアばかりで、イノベーションのアイデアが出てこないことがあります。これが、経済に深刻な影響を与えています。

現実にこの20年くらいで起こったことを見ていてもよくわかります。バブルの崩壊後、日本が失われた20年とか、30年とか言っているうちに、米国ではアマゾン(1995年)、グーグル(1998年)やフェイスブック(2004年)といった企業が登場し、併せると50兆円近い売り上げをあげています。日本をみれば、例えば1997年に設立され、時代の寵児とみなされている楽天が初の売り上げ1兆円超えを達成したが2918年ですので、規模の違いがよくわかります。

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2020年7月 2日 (木)

【マネジメントスタイル:雑談2】コンセプチュアル思考の各軸を極めるための本

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PMstyleでは、「コンセプチュアル思考」という思考法を提唱しています。

4532320623
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim

コンセプチュアル思考は5つの軸の軸の行き来で実践します。

大局/分析
抽象/具象
直観/論理
主観/客観
長期/短期

の5軸です。大局や長期は経営者やマネジャーのスキルとしては古くから重要性が指摘されていたものですが、この5年くらいで他の軸についても急速に認知されるようになってきたように感じています。

そこで、この記事では、抽象/具象、直観/論理、主観/客観の3軸に関する書籍を簡単にコメントをつけながら紹介してみたいと思います。

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2020年7月 1日 (水)

【VUCA時代のプロジェクトデザイン】第1回 プロジェクト2.0からプロジェクト3.0へ

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/pdesign/

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◆はじめに

Pd_2VUCA時代/VUCAワールドのプロジェクトは計画的にコントロールすることが難しく、大局的な視点でコントロールしていく必要があります。そのためのマネジメントとしては、プロジェクトの構造や成果の本質に着目してプロジェクトを実現するコンセプチュアルプロジェクトマネジメントが最も適していると考えられます。

この際の問題は、どこに視点を置いてプロジェクトの大局を考えていくかです。計画によるコントロールをする場合には目標に視点を置き、目標を達成することをマネジメントの役割にしていました。

これに対して、プロジェクトを大局的にコントロールするための方法として考えられるのは、組織のビジョンやミッションなどです。あるいはもう少し具体的なレベルでは戦略もあります。中でもVUCAの今、注目されているのが、企業が自分たちの存在意義を示すパーパスです。パーパスは自分たちがなぜ存在しているか、なぜ活動しているのかを示す概念で、欧米の先進企業ではパーパスを軸にして、ビジョンやミッション、戦略、コンセプト、プロジェクト、組織や社員の行動様式まですべてを統一するという使われ方がされるようになっています。

このような動向の中で、パーパスを起点にしてプロジェクトを動かすプロジェクトマネジメントは重要性が高まっていますが、特に計画の前提を作るプロジェクトデザインのプロセスが重視されています。そこでこの連載では、パーパスを起点したプロジェクトにおけるプロジェクトデザインの方法について解説したいと思います。

今回は第1回で、概論としてVUCA時代のプロジェクトとはどのようなものか、そしてそれに適したプロジェクトマネジメントとプロジェクトデザインの方向性について考えてみたいと思います。

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