【コンセプチュアルスタイル考】第54話:「どうやるか」に留まらず、「何をするか」を考える~閉じた場から開いた場へ
【参考文献】
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim
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◆改善だけでイノベーションができない日本
この10年くらい、日本のビジネスパースンは「どうやるか」を考えることは得意だけど、「何をするか」を考えることは苦手だと批判されることが多くなってきました。このような問題が頻繁に指摘されるようになった背景には、時代的に変化しなくてはならない状況であるにも関わらず、出てくるのは改善のアイデアばかりで、イノベーションのアイデアが出てこないことがあります。これが、経済に深刻な影響を与えています。
現実にこの20年くらいで起こったことを見ていてもよくわかります。バブルの崩壊後、日本が失われた20年とか、30年とか言っているうちに、米国ではアマゾン(1995年)、グーグル(1998年)やフェイスブック(2004年)といった企業が登場し、併せると50兆円近い売り上げをあげています。日本をみれば、例えば1997年に設立され、時代の寵児とみなされている楽天が初の売り上げ1兆円超えを達成したが2918年ですので、規模の違いがよくわかります。