PMstyle 2024年5月~7月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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2020年5月

2020年5月11日 (月)

【PMスタイル考】第169話 能動的なレジリエンスを呼び起こす

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◆はじめに
 
コロナウィルスもだんだん、性格が分かりつつあるが、2か月くらい前には非常に不気味なもので、いつまで影響が続くか分からないような感じだった。そのころに、どういうスタンスを取ろうかと考えているときに、ふと思いだしたのがレジリエンスだった。
 
それで、何本かレジリエンスに関する記事を書いたのだが、それに対して反応はレジリエンスって、結局、置かれた境遇を如何に乗り切るかということだろうという反応が多かった。これは「もとに戻る」のがレジリエンスだという思い込みがあるからだ。
レジリエンスという英語の意味には、回復、復元、再起といった意味以外に、跳ね返り、弾力という言葉がある。レジリエンスに取り組む分野にもよるのだろうが、少なくともビジネスにおけるレジリエンスは跳ね返りや弾力といった意味の方が強い。
 
そこで、今回のPMスタイル考は、跳ね返りや弾力をイメージしたビジネスのレジリエンスという概念について思うところを述べてみたい。キーワードは倍返しだ。

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2020年5月 8日 (金)

【お知らせ】PMstyle5月~6月分の公開講座について

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すでにお知らせしていますように、PMstyleでは4月、および5月分の公開講座は、新しいコンセプト
 
「日常的な実践を振返り、整理し、強化し、レジリエンスを高める」
 
の元で、提供する価値があると判断した講座のみをZOOMオンラインセミナーとして開催することになりました。
 
加えて、緊急事態宣言が5月末まで延長されたことを受け、6月の公開講座も同様の取り扱いをすることになりました。
 
ZOOMオンラインセミナーの基本的な構成は、7時間のオンサイトの公開講座を1日3.5時間の2日コースにしています。内容は、大きく変更したものと、ほぼオンサイト講座と同じものがあります。詳しくは各セミナーページをご確認ください。価格はオンサイトの公開講座の半額になっていますので、ぜひ、お試しください。
 
ZOOMオンラインセミナーの日程は以下の通りです。申し込みは各URLからできるようになっています。

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2020年5月 1日 (金)

レジリエンス(回復力/再起力)を高める

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◆はじめに
 
緊急事態宣言も5月末までに延長になり、いよいよ、先が見えなくなってきました。PMstyleでも
 
「日常的な実践を振返り、整理し、強化し、レジリエンスを高める」
 
というコンセプトを決め、本格的にオンライン講座を導入することになりました。
 
【お知らせ】公開講座の中止、およびZOOMセミナー開催について
https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2020/04/zoom-067d.html
 
このような動きに対して、レジリエンス(resilience)とは何かという問い合わせも頂いており、また参考になりそうな本を教えてほしいという依頼もあり、レジリエンスについて簡単に説明するとともに、より詳しく勉強するために読むことをお薦めする本のご紹介をしたいと思います。
 

◆レジリエンスの広まり
 
レジリエンスは、元々はストレスとともに物理学の用語でした。ストレスとは「外力による歪み」であり、レジリエンスはそれに対して「外力による歪みを跳ね返す力」として使われています。
 
その後、精神医学でも用いられるようになりました。精神医学では、レジリエンスは「極度の不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持することができる能力」という意味で使われます。
 
さらに、2013年のダボス会議で国際競争力としてのレジリエンスが取り上げられ、それ以降、政治、経済、環境、技術、人材育成などさまざまな分野で使われるようになってきています。ビジネスやマネジメントの世界ではレジリエンスは「困難な状況にもかかわらず、うまく適応できる力」の意味で使われます。
 
日本で、ビジネスにおけるレジリエンスが注目されるようになったのは、100年「LIFE SHIFT(ライフ・シフト): 100年時代の人生戦略」で有名になったリンダ・グラッドソン教授が「未来企業 レジリエンスの経営とリーダーシップ」という本でレジリエンスを議論したことがきっかけだと思います。この本については後で紹介します。
 
このようにレジリエンスにはいくつかの領域がありますが、この記事ではビジネスやマネジメントの視点からレジリエンスについて勉強するために読みたい本を紹介したいと思います。
 
 
◆レジリエンスのバイブル
 
まず、レジリエンスといえばこの本がバイブルです!

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アンドリュー・ゾッリ、アン・マリー・ヒーリー(須川 綾子訳)「レジリエンス 復活力--あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か」、ダイヤモンド社(2013)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478012334/opc-22/ref=nosim
 
これは特に分野を限定せず、レジリエンスをシステムとして解説した本です。災害や大混乱によって破綻するシステムと安定を取り戻すシステムの違いは何か、急激な状況変化に適応できる組織や機関、システムはどうすれば構築できるかを、レジリエンスという概念を使うことによって説明した本です。
 
少々概念的ではありますが、まず、レジリエンスというのを正しく理解するためには、特定の分野での本を読むより、こういうアプローチの本を読んだ方がよいと思います。この本の後で出版された本を見ていると、大体、この本て少々されているシステム構築のスキームに包含されていると思われます。
この本が今回、紹介する中で、今、最も読んで欲しい本です。
 

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