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2013年6月

2013年6月24日 (月)

【告知】形骸化させない「計画の技術」

Keikaku3_2 計画を作ってもそのとおりに仕事が行われない「計画の形骸化」というのは古くて新しい問題です。

古くは計画よりはモノだということで計画が形骸化していました。この問題は今でも残っていますが、計画かモノかという二項対立ではなくバランスの問題として解決されつつあります。バランスという視点から一つの考え方として定着してきたのがアジャイルです。

最近は、多くの企業でマネジメントが導入され、計画については標準化が行われるようになっています。そこで起こっている問題は、計画は作るが机上の計画になっているという問題です(中には机上であることをいいことに、コピーで済ますようなマネジャーもいますが)。これもやはり、計画と実態がかけ離れているという意味で形骸化です。

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2013年6月20日 (木)

【PMスタイル考】第68話:「してもよい」から「すべき」へ

◆「やってもよい」シンドローム

Hito1 昨年一度顕在化して問題になった、復興予算の別用途への流用が再び問題として顕在化してきました。この問題のやっかいなところは、法律的には問題はないことです。つまり、「やってもよい」ことをやっているだけだというわけです。

ところが多くの人は、このニュースを見て怒っています。法律上問題がないのが、余計、腹立たしいのかもしれません。

そこで、官僚はけしからんとなるわけですが、この問題、結構、民間の企業でもやっていることです。予算流用問題を少し抽象化して考えると、

「やってもよい」範囲で必要な事業を進める

ということをやっています。この問題と、いま盛んに議論されている消費税増税の際に大きな小売業が小さなメーカなどに消費税を転嫁するという行動とどこが違うのでしょうか?この行動も法律的には「やってもよい」ことです。つまり、大手小売業も

「やってもよい」範囲でやりたい事業を進めている

だけなのです。この大手小売業の行動にも違和感を感じている人は多いでしょう。なぜでしょうか?立場の弱いものをいじめているように見えることに違和感を感じているのでしょうか?


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2013年6月19日 (水)

【告知】計画の本質を学ぶ

Keikaku1 PMsytleプロデューサーの好川哲人です。こんにちは。

先日あるクライアントさんに

なぜ、浦正樹さんに「計画力講座」を交代したのか

と訊かれました。

答えは簡単です。浦さんの考えている「計画の技術」のコンセプトが素晴らしく、コンセプチュアルスキル講座の目的にぴったりだからです。

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2013年6月 6日 (木)

【コンセプチュアルスタイル考】第2話:概念化するとはどういうことか

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◆概念化と抽象化Concept

まず言葉の定義をしておきたいと思います。辞書を引くと、概念的と抽象的という2つの言葉は同じ意味のようで、微妙に違います。たとえば、「大辞泉」では概念的であることを

概念的:個別性を問わず、概括的・抽象的にとらえるさま

とあります。概念的という言葉の説明に抽象的という言葉が使われています。これは前回触れましたように、

「いくつかの事物に共通なものを抜き出して、それを一般化して考えるさま」

と説明されています。

そこに、さらにキーワードとして概括的という言葉が使われています。概括というのは内容のあらましをまとめることです。もう少し、正確にいえば、「諸事物に共通する性質に着目して、それらの事物を一つの概念のもとに「統合」すること」です。

簡単にいえば概念化するというのは、抽象化したものをある概念に統合していくことです。詳しくは改めて議論したいと思いますが、統合するためには抽象化するだけではなく、抽象化したものを具体的に展開してみて、妥当性を検証するという具体と概念の行き来を繰り返し行いながら、収斂させていく必要があります。

そうはいいながら、概念化と抽象化の区別ははっきりしない場合の方が多いと思いますので、この連載の中ではここを細かく使い分けることはしませんが、一応、このような違いがあることを頭の片隅に残しておいてください。

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2013年6月 5日 (水)

【告知】現場の頑張りを無駄にしないマネジメント

Sponsor ある日本人論を読んでいたら、こんな記述がありました。

個々の現場がタコツボ化して、全体を統括する中枢機能が弱い。目的を設定して必要のない部分を切る全体戦略がないので現場がいくら頑張っても収益が上がらない。

この目的意識の欠如という日本人の特徴は今に始まったことではなく、日本軍の問題として指摘されていたことです。それが今でも残っています。

驚くことに、プロジェクトで仕事をしている企業で、プロジェクトマネジメントを導入するようになっても残っています。たとえば、IT企業では21世紀に入ってから、プロジェクトマネジメントの導入が始まりました。そして、プロジェクトの成功確率は上がっていますが、収益は下がり続けています。

表面的な現象としては発注者の予算が少なく受注条件が厳しい、大きな失敗プロジェクトが全体の収益を食いつぶしているといった原因が指摘されており、プロジェクトマネジメント擁護派はプロジェクトマネジメントをやっていなければもっと悲惨なことになっていただろうと言います。

このような認識は本当に正しいのでしょうか?

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2013年6月 3日 (月)

【PMスタイル考】第67話:コンセプトをイノベーションする

Concept6 ◆ライフサイクルとイノベーション

第58話の「イノベーションの視点」で、技術ライフサイクルとイノベーションの視点の話をしました。今回の話はその続きです。

まず、最初に復習ですが、技術ライフサイクルとは、以下のようなものです。

(1)揺籃期(生まれる)
  技術のユーザの求める機能は不明確であり、多くの考え方が提唱される
(2)成長期(育つ)
  ドミナントデザインが確立され、技術に対して共通したイメージが生まれる
(3)成熟期(働く)
  技術のユーザは技術の効用を重視
(4)衰退期(衰える)
  技術のユーザはその技術に投資をしなくなる

このライフサイクルの中で、技術イノベーションは揺籃期、および成長期に活発に行われます。特に、成長期にドミナントデザインが確立されると、イノベーションの評価指標(性能や機能の着眼点)が決まりますので、一挙にイノベーションの競争が起こります。性能競争とか、小型化競争などです。

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【プロデューサーの本棚】リ・インベンション: 概念のブレークスルーをどう生み出すか

4492533249_2 三品 和広、三品ゼミ「リ・インベンション: 概念のブレークスルーをどう生み出すか」、東洋経済新報社(2013)

神戸大学経営学部の三品和弘先生が前作

三品和広「どうする? 日本企業」、東洋経済新報社(2011)」

のこれからの日本企業の生きる道として最後で提唱されている、リ・インベンションについて海外事例を中心にまとめた本。

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