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2005年6月

2005年6月15日 (水)

セミナー「プロジェクトを成功させるコミュニケーションマネジメント」

プロジェクトにおいては、コミュニケーションが重要であることは万人の認めることである。ところが、コミュニケーションとは何かが意外と理解されていない。コミュニケーションには、進捗のように事実の伝達と、顧客とのコミュニケーションのように関係の構築に必要なコミュニケーションがある。

ところが、意外と重要視されていないのが、コミュニケーションの計画を作ることである。弊社発行のメールマガジンプロジェクトマネージャー養成マガジンと翔泳社の雑誌「PM Magazine」の共同企画のアンケートによると、60%のプロジェクトはコミュニケーション計画がないという驚くべき現状がわかっている。

コミュニケーションは必要であるが、計画されていないコミュニケーションは、逆効果をもたらすことがある。たとえば、プロジェクトに参加している開発メンバーと営業メンバーが顧客と個別にコミュニケーションをして、違った約束をしたために、情報が錯乱してしまった経験のある人は少なくないだろう。

もうひとつの例を挙げてみよう。コミュニケーションをしたかどうかを確認しなかったためにトラブルを起こすことも多い。たとえば、顧客とのコミュニケーションをしていると思い込んで話が進んでいたが、実は、誰もコミュニケーションをしていなかったといったケースだ。

これらこと自体がメンバー間のコミュニケーション不足だといえるわけだが、要するに、ルールがないとこういうことになるのだ。

このセミナーでは、このような認識の元に、如何にコミュニケーションのルールを作り、また、それを如何にレビューしていくかということを中心に、コミュニケーションをマネジメントする方法について解説する。

まず、プロジェクトの中で必要になるコミュニケーションの種類について整理する。ここで、想定しているのは、QCDに関するコミュニケーション、リスクに関するコミュニケーション、ステークホルダとのコミュニケーションなどである。

次にそれらについて、基本的にどのような点に留意してコミュニケーションのルールを作ればよいかを解説する。また、実際にコミュニケーションを実行しようとすると、何がしかのルールが必要になってくるが、そのツールの作成方法についても解説する。

最後に、コミュニケーションの中で、もっともプロジェクトの運命に重大な影響を与えるリスクコミュニケーションについて、その方法、考え方、ポイントなどについて深堀してみる。

このセミナーを通じて、計画的なコミュニケーションの重要性を理解し、明日から、プロジェクトのコミュニケーションが計画的になるようにしたい!

◆セミナーURL

プロジェクトを成功させるコミュニケーションマネジメント

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-communication.html

by:プロジェクトマネジメントオフィス

2005年6月 7日 (火)

コラム「メンバーに役立つWBS入門(3)」

◆WBSによるセルフマネジメント

 今回は、成果を達成するために必要なメンバーのセルフマネジメントについて記述します。

プロジェクトにおいてメンバーが成果を達成するということは、担当する作業について求められる成果を時間通りに確実に達成することです。そのためには、次のようなことを考えながら、作業をする必要があります。

1.時間の使い方
2.作業の効率化
3.現状を正確に報告する
4.確実に達成するために自分の作業の中のリスクを管理する

WBS辞書には作成する成果物、必要な作業、見積り工数、開始予定日と完了予定日が記載されています。そこから、上記の1.2.3.を考えながら、自分の行うべき作業をブレークダウンしていきます。

それはまず作業の優先順位を考えるということで、しなくていい作業は行わないということです。そこで、通常は重要な作業は何かということを考え、優先順位をつけて作業に着手します。その重要な作業という判断の中に、今までずっと行っていたからとか、その後の流れが便利だからなど、慣習的に行っていることが含まれてしまうことが多々あるようです。

「劣後順位」という言葉をご存知でしょうか?

私は知人に薦められて「プロフェッショナルの条件(ドラッガー)」を読んで、初めて知り、大変、感銘を受けた言葉です。
まず自らがあげるべき成果を考えて、そのために、この作業は必要かどうかを自問します。

今まで重要な作業と思っていたことも、成果を達成するために必要な作業かどうかの自らの判断を行って、必要でなければ行わないという勇気が必要だとも書いてありました。

これからは、WBS辞書の内容から自分の行うべき作業をブレークダウンする際に、習慣的に行っている作業について、必要かどうかを自問してみましょう。

また、作業を効率よく行うためには、時間をまとめて集中することが第一です。ここで、まとまった時間とは、集中できる時間のことを意味し、1時間~2時間です。この時間で行う作業を決め、この時間で作業が終わったかどうかで「小さな成功、達成感を得る」ところから作業の効率化をはじめてみましょう。

このまとまった時間で行うべき作業ができたかどうかを積み重ねて、現状報告とします。

そして、WBS辞書に記載されています「予想されるリスク」については、そのリスクについて常に考えることで、リスクに対して敏感になり、リスクの発生をなるべく早く察知し、チームリーダーまたはプロジェクト・マネージャーに報告をし、相談をしながら対処することで、3.4.を実現していきます。

報告をする際には、メンバーは、必ずリスクに対する対処方法を考えておきます。
また、リスク計画があり、リスクの対処方法が決まっているのであれば、その対処方法によるリスクの解消度または影響度を担当するメンバーとして推察しておきます。
メンバーがリスク発生の現場に最も近いポイントにいるわけですから、リスクに対する情報を一番多く得ることができるはずです。
その情報と現場の人間としての判断を報告し、そして相談をすることで、より良い、より早いリスクに対する対処ができます。

そのためには、担当する作業において、どのようなリスクが予想されるか、それを早く察知するために何に注意すべきを理解しておく必要があります。

これらのことは作業を担当するメンバーにとって、今後の作業を進めるうえで、リスクの発生率が減少しないことはあっても増加することはありませんので、心がけておきましょう。「情けは人のためならず」ですね。

上記の点について、メンバーが考えることで作業はより良い成果を達成できると言えます。

◆関連セミナー
 WBSを使ったメンバーのセルフマネジメント
   ~プロジェクト計画を実行するメンバーシップ力の向上~
  http://www.pmos.jp/juku/membership/pmm-wbs.htm


上記セミナーは終了していますが、新しいパラダイムで次のセミナーを開催しています。

自己リーダシップによるプロジェクトマネジメント

2005年6月 3日 (金)

コラム「メンバーに役立つWBS入門(2)」

◆WBS(Work Breakdown Sructures)の作成方法

 今回はWBSの具体的な内容とそれがセルフマネジメントとどのように結びつくか
を解説します。

プロジェクト全体のWBSはプロジェクトマネジメントチームが作成し、メンバーが
直接関わることは多くはありません。
そして作成されたWBSにおいてメンバーに役割と責任が与えられ、作業を実行して
行くことになります。つまり、ワークパッケージまたはアクティビティに詳細化され
たあとで初めてメンバーはWBSと関わることになります。そこで、ワークパッケー
ジ作成またはアクティビティ遂行に責任を持つわけです。

WBSでは、通常、次のような要素成果物を考えて、分解・詳細化していきます。

1.プロダクトを分解
2.サービスを分解
3.プロジェクトの結果を分解
4.プロジェクト全体の横断的要素
5.プロジェクトマネジメント要素

しかし、メンバーにおいては、分解・詳細化の基準やそのレベルよりも、詳細化され
たWBSの項目(ワークパッケージ)の具体的な内容のほうが重要です。この内容の
ことをWBS辞書と呼びます。
つまり、プロジェクト全体のWBSの作成ができることよりも、担当部分のWBSを
全体と整合性を取りながら作成することが、メンバー力アップのためにはより重要に
なってきます。

◆WBS辞書に書かれる項目

どんな項目がWBS辞書に必要であるかはプロジェクトの種類や性格にもよりますが
、最低限、次の項目が必要です。

1.WBS項目番号
2.WBS項目名称
3.WBS項目の内容
4.必要なアクティビティ(作業内容)
5.作業に必要な成果物
6.見積り工数
7.開始予定日と完了予定日
8.担当者名
9.予想されるリスク

そして、プロジェクトにおいてメンバーが責任を持つということは、担当するWBS
項目について求められる成果を時間通りに確実に達成することです。つまり、担当す
る作業についてコミットすることを意味しています。

そのためにも、担当する作業のWBS部分を作成することによって、より、コミット
できるはずであり、それは担当する部分のWBS作成にメンバーが関わることによっ
て得ることのできる利点と言えるでしょう。

◆まとめ
今回(短期連載の第2回)は、WBSの内容とそれがセルフマネジメントとどのよう
に結びつくかを記述しました。
次回の最終回では、成果を達成するために必要なメンバーのセルフマネジメントにつ
いて紹介します。

最後に、この短期連載の内容について詳細に解説し、演習を行うWBSのセミナーを
紹介します。メンバー力アップにはうってつけのセミナーです。ふるってご参加くだ
さい。

◆関連セミナー

 WBSを使ったメンバーのセルフマネジメント
   ~プロジェクト計画を実行するメンバーシップ力の向上~

 http://www.pmos.jp/juku/membership/pmm-wbs.htm


上記セミナーは終了していますが、新しいパラダイムで次のセミナーを開催しています。

自己リーダシップによるプロジェクトマネジメント