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2019年11月27日 (水)

The Amazon Way(ザ・アマゾンウェイ)

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John Rossman(渡会圭子訳)「アマゾンのように考える 仕事を無敵にする思考と行動50のアイデア」、SBクリエイティブ(2019
 
 
 
 
 
お薦め度:★★★★★
 
 
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今年の年間ベスト3の候補の一冊。
 
本書はアマゾンでマーケットプレイスを立ち上げた幹部で、退社後も「The Amazon Way」の著者として知られているジョン・ロスマン氏が、アマゾンの知恵というか、ジェフ・ベゾスの知恵を50と1/2のアイデアにまとめたものである。
 
本書は、まず、
 
「ジェフならどうするだろうか?」
 
という序文でアマゾンの信念を述べたあと、企業文化、戦略、ビジネスとテクノロジー、アプローチ&実行という4つの視点から、アマゾンのやり方を整理している。
 
アマゾンの信念は
 
古いモデルや過去の成功にとらわれない企業はリーダーであり続け、次の時代をつくる力を維持する。そして、この変動の激しい時代に変化し成長することができる
 
ということであり、この信念に基づいてアマゾンは
 
既存のビジネスの勢いに安住するのではなく、現在も元手を取るのに何年もかかる(取れずに終わるかもしれない)ものに投資を続けている
 
という。日本でも立ち上がったときに、投資と回収の賛否がさんざん議論されてきたやり方の謎がこの原則ですべて理解できる。それが、アマゾンであり、ジェフ・ベゾスなのだ。
 
本書では、この原則に基づいたマネジメントやビジネスでとられているアイデアを
 
【企業文化】誰もがイノベーティブになれる15のアイデア
【戦略】デジタルで本当に役立つイノベーションを生む15のアイデア
【ビジネスとテクノロジー】テクノロジーに使われず、テクノロジーを使う11のアイデア
【アプローチ&実行】仕事をアマゾン化する9のアイデア
 
というカテゴリーで示している。この記事の最後に示しておくので、ぜひ、見てほしい。
 
いずれも説得力があり、気づきを与えてくれるものばかりなのだが、一番感動感動したものを挙げておこう。それは42番目のアイデアで良い意思決定を速く下すためのアイデア
 
42. 一方通行の扉か、もしくは双方向の扉か?
 
基本的に意思決定は早い方がいいと考えられているが、引き返せる意思決定(双方向)と、引き返せない意思決定(一方通行)がある。これをよく認識することが、よい意思決定をするためには不可欠だというもの。アジャイルに取り組んでいるがうまく行かないプロジェクトが多い。この問題のヒントはこのアイデアに尽きるといってもよいだろう。
 
本書に紹介されているアイデアはほとんどこういうレベルのものだ。まさに、アマゾンウェイ。ぜひ、読んでみてほしい。
 
【本書で取り上げられているアイデア】
1. 時計をリセットせよ
あなたの旅は遠く、道は曲がりくねっている
2. 欲得ずくかそれとも使命感か?
自分の思い入れに戦略的で、正直であれ、そして勝つことに執着せよ
3. デイ・ワンに戻るために前進せよ
現状の企業文化を変化させよ
4. 取り憑かれているのとは違う
顧客への思い入れという企業文化を創造せよ
5. 仲良くやっていくために相手の言うことに従ってはいけない
社会的一体性というリスクには厳しい結果が待っている
6. 結果を出す
「依存心」をマネジメントせよ
7. 一人ひとりが責任感を持つ
企業最適化のための報酬戦略
8. カントリークラブ的文化をつくるな
成功の最中にあってもハングリーであれ
9. ゾウにダンスを踊らせる
ポートフォリオ戦略とイノベーションのためのガバナンス
10. あなたは最高製品責任者である
製作者のための新経営科学
11. あなたは誤解されたいか?
アマゾンで最大のイノベーションからの教訓
12. 門番を味方につける
財務、税金、法務、人事 … 全員が「できる」ために動くために
13. 組織図をぶっとばせ
組織構造や役職名に進歩の邪魔をさせるな
14. イノベーションのためのゲーム
たのしい方法で創造力を促進する
15. 企業文化のためのドアデスク賞
なぜ「ドア」に「脚」をつけた「デスク」がアマゾンの象徴なのか
16. ミッション・インポッシブル
「デジタルである」とはどういうことか
17. 実験、失敗、洗い流し、繰り返し
デジタルで成功するためには実験を計画し、実行せよ
18. プラットフォーム・カンパニーになりたい?
他の人たちのためのプラットフォーム戦略
19. あなたの会社はテクノロジーの会社
デジタルで成功するためにはやり方を分散すること
20. 全員にピザを!
小規模で自主的なチームの魔法
21. 決して諦めてはいけない
過去の栄光の罠にハマるな
22. リレントレス・ドットコム
次世代の優れた業務遂行力
23. OPW
他者の仕事の戦略
24. 強制機能の魔法
正しく行えばあなたのチームは飛躍する
25. あなたのはずみ車は何?
戦略的開発におけるシステム思考
26. なぜこれはそんなに難しいのか?
摩擦を減らしてイノベーションを起こせ
27. 顧客にスーパーパワーを授ける
夢のあるビジネスと永続性のあるニーズ
28. 人と違う考え方をする
現状打破のために疑問を持て
29. 着手して学べ
アマゾン流の事業拡大とイノベーション
30. オペレーティングシステムを手放すな
パートナー、ベンダー、戦略
31. 嘘、嘘 そして指標
会議は指標で。何を指標にするかが大事
32. プロセスVS官僚主義
拡大・縮小のできるプロセスを構築せよ
33. 計算する
自動化とAIへの道は数式で始まる
34. 体験からどんな感情と行動が生まれるか
勝つために顧客満足体験を設計し評価する
35. あなたの「アマゾン・ゴー」的テクノロジーとは?
モノのインターネットは新たな顧客満足体験をどのようにつくるだろう
36. 情報セキュリティは死ななければならない
37. OP1
計画を練る際の骨の折れるプロセス
38. 戦略的人員計画
従業員の配分により事業拡大とイノベーションを起こす
39. 基本設計概念はビジネス戦略である
テクノロジーと基本設計概念で勝ち抜け
40. あなたが訊くべき質問
CIO(最高情報責任者)にこれらの質問をせよ――全員の利益のために
41. 人工の、人工知能の終焉
機械学習の未来に備えよ
42. 一方通行の扉か、もしくは双方向の扉か?
良い意思決定を速く下す
43. ハードルを上げる
雇用に関しての大きな失敗を回避せよ
44. ナラティブについてのナラティブ
パワーポイントは使うな
45. 未来のプレスリリース
未来を定義してチームを参画させる
46. 「よくある質問」を先回りせよ
自分の利益のために他者の質問に答える
47. つくりはじめる前にユーザーマニュアルを書く
顧客の視点からスタートし、バックワードアプローチを行う
48. あなたはあなたの食べたものでできている
幹部チームの読書リストを通じて変化を起こせ
49. 愚者のための財政学
フリーキャッシュフロー、会計学、そして修正
50. 自分の仕事をアマゾン化するために、さて何からはじめるか
結論
50 1/2:行動指針はポスターではない
スピード、機敏さ、デジタル・リーダーシップの追求

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