ディマンドは繰り返し創造できるのか
エイドリアン・J・スライウォツキー、カール・ウェバー(佐藤 徳之監修、中川 治子訳)「ザ・ディマンド 爆発的ヒットを生む需要創出術」、日本経済新聞出版社(2012)
お奨め度:★★★★★
爆発的な需要を生むにはどうすればよいか。この課題に対して、ディマンドという概念を提唱して、答える1冊。商品開発、マーケティング関係者必読。
お奨め度:★★★★★
爆発的な需要を生むにはどうすればよいか。この課題に対して、ディマンドという概念を提唱して、答える1冊。商品開発、マーケティング関係者必読。
ディマンドとは「見たとたんに心を奪われる」ような、エネルギーの特殊な形態である。ディマンドは繰り返し創造できるのか?
ディマンドクリエイターは、人々が買うものと実際に欲しがっているものとの間に大きなギャップがあることに気づく。そして、そのギャップをきっかけに、ディマンド側から物事を考える。現実を捉え直し、組み立て直す。その結果、人々がどうしてもほしくなる製品でありながら、ライバルは模倣できない製品が誕生する。たとえば、iPhoneである。
このプロセスは6つのステップからなる。
(1)マグネティック
機能面と情緒面の「魅力」が需要を生み出す
(2)ハッスル・マップ
時間とお金をムダにする「欠点」を明らかにする
(3)バックストーリー
「見えない要素」で魅力を強化する
(4)トリガー
人々を「夢中」にさせ、購買の決断を下してもらう
(5)トラジェクトリー
魅力を「進化」させ、新しい需要層を掘り起こす
(6)バリエーション
「コスト効率の高い製品多様化」を図る
さらに、3つの点への留意を必要とする。
・ローンチ
需要のアキレス腱に注意する
・ポートフォリオ
シリーズ化には高いハードルが付きまとう
・スパーク
需要の未来を見つける
本書は、これらの9つのポイントについて、事例を挙げながら丁寧に説明している。デザイン思考による商品開発を思考する人には非常に参考になる一冊である。
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