自分だけのストーリーで人を動かす(ファンが選ぶビジネス書14)
鈴木 裕子「ストーリーで体験を語れば人の心を動かせる」、こう書房(2011)
お奨め度:★★★★
ストーリーを使って、納得と共感を生み出すプレゼンテーション、コミュニケーション、説明、説得を行うフレームワークについて解説した本。ストーリー・テリングはぼちぼちと本が出ており、提案されているフレームもあるが、この本ほど、具体的な方法論を示した本はない。一方で、楠本先生の「ストーリーとしての競争戦略」のヒットで、ストーリー・テリングへの関心はかつてないほど高まっている。ストーリーを作って、コミュニケーションを行うための最初のステップに最適の一冊。
まず、最初に以下の記事を読んでみてほしい。PMstyleというfacebookページで始めた連載「ストーリーで学ぶプロジェクトマネジメント」のこれまでの記事である。
(1)プロジェクトに一体感を生み出す
(2)目線を一つ上にして考える
(3)プロジェクトはポジティブな逸脱をするためにある!
これらの物語は、本書の事例シートというフレームワークを使って作ってみたものである。事例シートは以下のようなフレームワークである。
【ヘッダ】
・事例タイトル
・訴求点
・話材
【コンテンツ】
・出だしの言葉
・話材の語り
・一般化
・キメの言葉
ここに至るまでに「話材ノート」を作ることを薦めている。話材ノートには、以下のようなことを書き留めておく。
・タイトル
・状況
・感情
・解説
・気づき
といった内容だ。このようなノートを作っておいて、何か言いたいときに、話材を選んで、事例シートを使ってストーリーを組み立てていく。
まず、出だしの言葉。ここでは、意外性が重要であるという。次に、話材を語りに作りこむ。そのために、
(1)「話材」のアレンジ
(2)「話材」の組み立て
の2つのステップを踏むというのが、鈴木流である。特にアレンジが大切で、事例をそのまま使おうとすると、付帯状況が複雑なことが多い。そこで、「話材アレンジシート」を使ってアレンジをする。このシートは、ストーリーの聞き手からみて、すっきりしないところを分析し、その点について、いくつかのアレンジ案を出すようなシートである。
次の一般化では、話材から得られる気づきを一般化する。そして、最後にキメで止めを刺す。これをまとめたのが事例シートだ。
前半はこのようにストーリーの作成について説明されており、後半はそのストーリーをできるだけ有効に活かすためのコミュニケーションやプレゼンテーションの作法を説明している。いろいろといいことが書いてある。たとえば、
・言葉使いを相手にあわせる
・「自分たち」を主語にする
・問いかけて巻き込む
・相手への共感の言葉をかける
などだ。また、やってはならないことについてもまとめてある。
この本は基本的に、体験に基づく自分だけのストーリーを作るというスタンスだが、話材は、本で読んだような話材でも使える。その場合、よいインパクトを与えるために、一般化のところに、ストーリーと結びつく小ネタを入れればよいのではないかと思う。そのパターンを試してみたのが、冒頭に紹介した3番目の記事。まあ、評価は読者の方に任せることにする。
冒頭にも書いたように、1時間もあれば読める本で、すぐに使えるという非常にパフォーマンスの高い本だ。あなたもこの本で、ストーリーを使ったプレゼンや、スピーチにチャレンジしてみてほしい。
(1)プロジェクトに一体感を生み出す
(2)目線を一つ上にして考える
(3)プロジェクトはポジティブな逸脱をするためにある!
これらの物語は、本書の事例シートというフレームワークを使って作ってみたものである。事例シートは以下のようなフレームワークである。
【ヘッダ】
・事例タイトル
・訴求点
・話材
【コンテンツ】
・出だしの言葉
・話材の語り
・一般化
・キメの言葉
ここに至るまでに「話材ノート」を作ることを薦めている。話材ノートには、以下のようなことを書き留めておく。
・タイトル
・状況
・感情
・解説
・気づき
といった内容だ。このようなノートを作っておいて、何か言いたいときに、話材を選んで、事例シートを使ってストーリーを組み立てていく。
まず、出だしの言葉。ここでは、意外性が重要であるという。次に、話材を語りに作りこむ。そのために、
(1)「話材」のアレンジ
(2)「話材」の組み立て
の2つのステップを踏むというのが、鈴木流である。特にアレンジが大切で、事例をそのまま使おうとすると、付帯状況が複雑なことが多い。そこで、「話材アレンジシート」を使ってアレンジをする。このシートは、ストーリーの聞き手からみて、すっきりしないところを分析し、その点について、いくつかのアレンジ案を出すようなシートである。
次の一般化では、話材から得られる気づきを一般化する。そして、最後にキメで止めを刺す。これをまとめたのが事例シートだ。
前半はこのようにストーリーの作成について説明されており、後半はそのストーリーをできるだけ有効に活かすためのコミュニケーションやプレゼンテーションの作法を説明している。いろいろといいことが書いてある。たとえば、
・言葉使いを相手にあわせる
・「自分たち」を主語にする
・問いかけて巻き込む
・相手への共感の言葉をかける
などだ。また、やってはならないことについてもまとめてある。
この本は基本的に、体験に基づく自分だけのストーリーを作るというスタンスだが、話材は、本で読んだような話材でも使える。その場合、よいインパクトを与えるために、一般化のところに、ストーリーと結びつく小ネタを入れればよいのではないかと思う。そのパターンを試してみたのが、冒頭に紹介した3番目の記事。まあ、評価は読者の方に任せることにする。
冒頭にも書いたように、1時間もあれば読める本で、すぐに使えるという非常にパフォーマンスの高い本だ。あなたもこの本で、ストーリーを使ったプレゼンや、スピーチにチャレンジしてみてほしい。
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