シンプル族の生態【ほぼ日読書日記 2009年7月16日】
「下流社会」以来、初めて三浦展さんの本を読んだ。この本は非常に参考になる。
三浦 展「シンプル族の反乱」、ベストセラーズ(2009)
日本でも、スローライフや、ロハス、最近では草食系の原点として注目されているPaul H. Ray、Sherry Ruth Andersonさんの
The Cultural Creatives: How 50 Million People Are Changing the World
が提唱している「カルチャルクリエイティブス」が理論的なベースになっているようだ(この本は読んでいないので、引用からはそんな感じ)。それに独自の調査をして、固めているような本。読み応えもある。
ライフスタイルだけではなく、このような価値観はワークスタイルでも色濃く出ているように思う。この本も勝間帯で、「共感します!この価値観を理解してください」と書いているが、共感するかどうは別にして、理解をすることは必要そうだ。
この本を読んで、なるほどと思ったことを一つあげると、最近、よく分業によるモチベーションの低下という指摘がある。とくに、ITの世界などは、全体像が見えないままで、取り組んでいるのでモチベーションが低いという指摘が多い。分業は今に始まったことではない。ドラッカーだって教会の石切工の話をしている。
突然、言われ始めたのに違和感を感じているが、これが「手作業指向」などいくつかの「カルチャルクリエイティブス」の特性を持った人たちが増えてきたというのであれば納得できるな。
もし、そうだとすれば、ビジョンを示すとかいうような単純な話では解決しないだろう。最近、デザインがやたら注目されているとか、といった辺りにもヒントがあるのかもしれない。
全然、関係ないが、最近、勝間さんが絡んだ出版物は、アマゾンで関係者の中傷に近いようなコメントがつくのが目につくなあ。
も、一冊。仕組みブームを作った泉正人さんの新作。
泉正人「「仕組み」思考術」、アスコム(2009)
仕組み本をいろいろな人が書いているが、確かに
泉正人「最少の時間と労力で最大の成果を出す「仕組み」仕事術」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2008)
は納得感のある本だったが、それ以外は違和感がある(そんなに読んでいるわけではないが)。
泉さんの新刊を読んでいて、ふっと思ったのは、こういう発想も、カルチャルクリエイティブスの発想かもしれない。確かに、生き方に仕組みを入れれば、世界観はシンプルになることは間違いない。
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