【ほぼ日 読書日記】2009年3月22日
むう、書評家が本を出すというのは難しいなあ。
僕は小飼さんのブログは好きで時々、読む。ブログの方はおもしろいし、普段あれだけ言っているのだから、さぞかしおもしろいだろうとハードルを上げてしまうなあ。
小飼 弾「小飼弾の「仕組み」進化論」、日本実業出版社(2009)
マーケティングの行き届いた本だとは思うが、なぜか響かないなあ。昔、ある研究機関の仕事で、ヒット商品の成功要因を自動的に抽出して、組み合わせて商品を企画するという仕事をしたことがあるが、その仕事を思い出した。
さて、思いっきりはまってしまったのがこの本。
佐藤 六龍「江戸秘伝 職養道のすすめ (講談社プラスアルファ新書)」、講談社(2007)
実は20日の神戸大学のMBAコース20周年イベントで、加護野先生が紹介されていたので、読んでみたのだが、実におもしろい。
これは必ず紹介記事を書くが、例えば、「嘘をついても人をだますな」というのは加護野先生の十八番。
水槽のカマスに餌をやるとすぐに食べる。そこで、水槽を透明なガラス板で仕切って、入れないところに餌を入れても、暫くは食べようとするが、何度かガラス板に激突して目的が叶えられないことを学習するとやがてカマスは餌を入れても反応しなくなる。一旦、こうなってしまうと、次に仕切りのガラスを取り除いて同じように餌を入れてもカマスは餌に喰いつこうとしなくなる。
と振っておき、ミドルマネジャーにガラス板は「あなた」ですと指摘するネタ。カマスの話は(たぶん)嘘だ。
最近、僕の別のブログのゆでガエル現象の記事に「実際にやってみたのか?やってみたらカエルは跳びだしたぞ、嘘を書くんじゃない」というコメントがついていた。
これも同じ。世の中には実際に実験した人もいるが、カエルは飛び出すらしい(僕はしらない)。つまり、この話そのものは嘘だ。
ただ、カマスの話も、カエルの話も、それでいっていることは正しい。知見に富んでいるし、示唆的である。つまり、聞いた人をだましているわけではない。
こういうのが、「嘘をついても人をだまさない」ということだ。これはプロデュースには不可欠である。この本の紹介記事はまた書く。
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