リストフリークの作った本
堀内浩二「リストのチカラ」、ゴマブックス(2008)
お薦め度:★★★★
なかなか、よいタイトルの本だ。確かにリストというツールには、何か特別なパワーがあるように思う。パワーではなく、チカラかもしれない。
みなさんは、リストというと何を思い浮かべるだろうか?僕が最初に覚えたリストは社是だ。みなさんも経験があると思うが、会社に入るとまず、しつこく感じるくらいに唱和させられるのが社是だろう。わたしたちのクライアントの中でも、研修の場などでも、毎朝、社是を唱和している会社がある。
僕がいた三菱重工の社是は
一、顧客第一の信念に徹し、社業を通じて社会の進歩に貢献する。
一、誠実を旨とし、和を重んじて公私の別を明らかにする。
一、世界的視野に立ち、経営の革新と技術の開発に努める。
である。
僕が三菱重工を退社して、もう20年近い時間が経つが、この3つは今でも僕の価値観になっているし、何より、まだ、唱和できる!これがリストのチカラではないかと思う。
さて前置きが長くなったが、具体的にリストが持っているのはどんなチカラだろうか?それを教えてくれる本である。
著者の堀内さんがlistfreakというサイトを作られて、活発に活動されていた。なかなか、ユニークな命名である。
そのサイトがついに本になった。拍手!
本書は、大きく2つのパートにわかれている。前半は、listfreakから堀内さんが選び抜いた50のリストが、コメントとともに5つのカテゴリに分けて紹介されている。カテゴリはコメントとともに5つのカテゴリに分けて紹介されている。カテゴリは、「まるごと覚えてしまいたいリスト」、「日々使いこなしたいリスト」、「月に一度は目を通したいリスト」、「いざというときに頼りたいリスト」、「折に触れ、じっくりと読み返したいリスト 」の5つだ。
そして後半はリストを使う方法、作る方法について述べている。僕は以前、ある会社の社是を作った経験がある。その経験に照らし合わせてみると、若干、物足りない部分があるが、なるほどと思うことの方がはるかに多い。堀内さんの「リスクフリーク」の本領発揮っていうところだろう。
この本の何より素晴らしい点は最後の2章に述べられている「リスト力」なるものだ。たとえば、ワークショップをするとかのときに、重要なものを3つあげてくれとか、結構、リストを使っている。何か意図があってやっているのだと思うが、その意味を8つのステップに分けて見事に整理している。また、編集力に通じるところで、リストをどのように編集すればよいかについても解説してくれている。
ありそうで、なかった素晴らしい本だ。
目次
はじめに
第一部 ── 珠玉のリスト集
第一章 まるごと覚えてしまいたいリスト
第二章 日々使いこなしたいリスト
第三章 月に一度は目を通しておきたいリスト
第四章 いざというときに頼りたいリスト
第五章 折に触れ、じっくりと読み返したいリスト
第二部 仕事と人生の質を高めるリスト術
第一章 リストを使ってみよう
第二章 リストを作ってみよう
第三章 リスト化の力を鍛えよう
第四章 リスト化の力を活用しよう
リスト索引
おわりに
コメント