人生と仕事が重なった
クリス・バラード(渡辺佐智江訳)「バタフライハンター 10のとても奇妙で素敵な仕事の物語」、日経BP社(2007)
お薦め度:★★★★
自分の運命は自分の手中にあります・・・だからカービンで仕事をチャンスが訪れたとき、私はまた夢を見始めました。夢を見るだけでなく、夢を生き始めたのです。
このようなカービンでの仕事でうまくいかなかった著者が自分探しの旅にでる。そこで、人生と仕事を重ねた人たちとの出会いを通じて、天職を見つける。
スカイウォーカー
目玉職人
きこりレディ
鉄道模型製作者
仕事学者
声のセールスマン
キノコ採掘師
筆跡探偵
アメフト伝道師
バタフライハンター
そんな話である。インターネット、とくにWeb2の時代と言われるようになってから、やりたいことを仕事にするということをいう人が増えている。
スカイウォーカーは壁を登るのが好きだった、高いところに登りたかった人。目玉職人は目玉をこよなく愛している。筆跡探偵は、文字にはこころが宿るから。バタフライハンターは、「青虫の声」を聴きに行きたいから。それぞれ、そのような仕事を選んだ理由がある。
このご時世でやりたいことを仕事にしたいと言っている人になんとなく違和感を感じるのはなぜだろうか?リチャード・フロリダの「クリエイティブ・クラス」で、「興味深いものはすべて周縁に生じる」と述べている。この本に書かれている10人の仕事人と比べると、多くの人がやりたいと言っていることは真中に近いのだと思う。これが違和感がある理由。自由に生きることと、やりたいことを仕事にすることは違う。
そんなことを考えさせてくれる一冊。
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