P2Mガイドブック
日本プロジェクトマネジメント協会「新版 P2Mプロジェクト&プログラムマネジメント標準ガイドブック」、日本能率協会マネジメント出版情報事業(2007)
お薦め度:★★★★1/2
P2M(プロジェクト&プログラムマネジメント)は日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が推進しているプロジェクトマネジメント方法論であり、PMBOKと同じ個別プロジェクトのマネジメントに加えて、プログラムマネジメントとポートフォリオマネジメントを統合した(広義での)プログラムマネジメントのフレークワークである。
本書はP2Mのガイドブックの新版(第2版)。内容的に第1版と比較すると、
・フレームが明確になり、しっかりとしてきた
・プロファイルなどの独自概念がこなれてきた
などの改良点が見受けられる。
ガイドブックとしては第1版は読むのに苦労するくらい、読みにくい部分が多々あったが、これがすっきりとしてきて、読みやすくなっている。その意味で、第1版はPMC、PMSなどの資格試験を受験する人以外には薦めにくかったが、今回のバージョンはプログラムマネジメントを必要とする実務家に薦めることができる内容だといえよう。
PMBOK(R)を推進しているPMIでも昨年プログラムマネジメント&ポートフォリオマネジメントの標準を発表し、この3つを合わせるとちょうど、P2Mと同じ位置づけになる。内容的には、P2Mに一日の長がある。また、PMIのこのドキュメントは現在のところ、ガイドラインというよりはホワイトペーパーに近い(来年の改定でどこまで変わるか!?)
P2Mも第1版はホワイトペーパーだったと思うが、やっとガイドラインと言えるものになってきた。この点でもPMIと比較すると一日の長がある。この進化がどれだけ普及に役立つかは見ものだ!興味ある人は、とりあえず、本書を読むところから始めよう!
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なお、今回の改定の中で、実務に適用しようとすると改善された理由に含蓄のありそうな部分が少なくない。その意味で、実務適用を考えるに当たっては、第1版との併用をお勧めしたい。今回、新版が出たことでいずれは廃番されるのだろうから、買っておくなら今のうちだ!
目次
第1部 P2Mエントリー
P2Mとは何か
P2Mの特長
P2Mの「使命達成型職業人」とは
(P2Mの育成提案の人材像)
プロジェクトマネジメントからP2Mへの発展
P2Mの構成および学び方
P2Mの活用分野
P2Mにおける実践力
P2Mに基づくプロジェクトマネジメント資格認定制度
第2部 プロジェクトマネジメント
プロジェクトとは
プロジェクトマネジメントとは
第3部 プログラムマネジメント
プログラムによる戦略の実践
プログラムとプログラムマネジメント
プログラムの共通観
プログラム統合マネジメント
コミュニティマネジメント
第4部 個別マネジメント
プロジェクト戦略マネジメント
プロジェクトファイナンスマネジメント
プロジェクトシステムズマネジメント
プロジェクト組織マネジメント
プロジェクト目標マネジメント
プロジェクト資源マネジメント
リスクマネジメント
情報マネジメント
関係性マネジメント
バリューマネジメント
コミュニケーションマネジメント
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