自分で考え、行動する力が身につく
渡辺 健介「世界一やさしい問題解決の授業」、ダイヤモンド社(2007)
お奨め度:★★★★
マッキンゼーで仕事をし、ハーバードビジネススクールで学んだ渡辺健介さんが、中高生にもわかるというコンセプトで書いた問題解決の本。
マッキンゼー流の数々の問題解決フレームワークを、中学生の行動などを中心に説明している。このため、とりあえず、論理的な思考だけできれば、読める。
ただし、誰でも読めるかというとちょっと違うように思う。例えば、「仮説」だとかは、かなり、奥のあるコンセプトがあるので、やはり、内容的には中高生には難しいように思う。少なくとも、さっと読み流して何か得るものがあるような類の本ではない。
それは、そうとし、社会人が真剣に問題解決の勉強をしたいときに読む本としてはたいへん、優れた本である。コンパクトにまとめられているし、すべてがわかりやすい例で示されている。
そして、フレームについては図できちんとした形で説明されている。
問題解決法の本は分厚いものが多いが、これは理論と例題を組み合わせているからだ。この本のように理論そのものの説明を例を使って行うことでかなりコンパクトに収まるということでは、慧眼の一冊である。
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