コミットメントを熟知しよう
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編集「コミットメント 熱意とモラールの経営」、ダイヤモンド社(2007)
お奨め度:★★★★
ハーバードビジネスレビューの中から、コミットメント経営に関する論文をまとめた論文集。コミットメントというのは日本語でいえば、公約である。
日本では公約というのがそうであるように、コミットメントというのがどうも、かなり精神的な約束として理解されている気配がある。このため、人によっては、コミットメントを忠誠といった訳しかたをする人もいる。コミットメントとロイヤリティは強い関係があるが、別の概念である(この議論はこの本の8章でも出てくる)。
例えば、プロジェクトマネジメントの分野でコミットメントは計画に基づいて行われる。つまり、定量的な目標に対して、その達成を約束するのがコミットメントの管理である。
ある意味でわかりにくい概念であるが、この本は8つの論文をうまく集めて、コミットメントマネジメントを実行するために必要な要素をつまくつむいでいる。チームマネジメントの中核にコミットメントマネジメントをおきたい人にはお奨めした一冊である。
ハーバードビジネスレビューの論文集なので、決して読みやすい本ではないが、苦労して読めば、それなりの対価は得られるだろう。
目次
第1章 コミットメント・マネジメント
第2章 コミットメントの自己管理術
第3章 業績は「権限と責任」に従う
第4章 ガースナー改革:多様性の戦略
第5章 IBMバリュー:終わりなき変革を求めて
第6章 エンパワーメント:マネジャーが抱く幻想と矛盾
第7章 幹部候補の「協働力」を育てる
第8章 トップが認識すべきミドル・マネジャーの貢献第1章 コミットメント・マネジメント
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