ゴーポイント
マイケル・ユシーム(村井章子訳)「一瞬の判断」、アスペクト(2007)
お奨め度:★★★★1/2
あらゆる意思決定は最後はゴーポイント(一瞬の判断)に行き着く。ゴーポイントとは
情報収集が完了し、計画の是非が論じつくされ、はっきりと態度を決めなくてはならない瞬間
である。ゴーポイントにおいては、今、すぐに何をするかという判断を迫られることが多い。先送りは許されない。この本は、ゴーポイントにおいて、勘やひらめきに頼ることなく、決断を行うための方法を述べた本である。この本で述べられている決断の公式は以下の9つである。
1.決断を恐れる気持ちを克服する
2.強い信念を持つ
3.振り返らない
4.冷静に準備する
5.困難な決断から逃げない
6.重大な責任を引き受ける準備をする
7.小さな決断を積み重ねる
8.状況を見極める
9.心の奥底の決意を知る
9つの決断もなるほどと思わせるものだが、本としては、この9つの決断の公式を説明するために使っている事例が面白いので、読み物としても面白い一冊になっている。
日本のマネジャーはゴーイングポイントまで持っていくことは得意だが、肝心の決断ができない。9つの公式、それぞれについてできていないことがあるように思うが、その中でも決断できる人の行動をみていると、特に7.をうまくやっている。
自分の行動を振り返りながら、読んでみよう!
目次
1章 決断の瞬間;
2章 意思決定に必要なこと;
3章 ケース・スタディ1―消防隊の悲劇;
4章 ケース・スタディ2―南北戦争の教訓;
5章 決断力を鍛えるレッスン;
6章 正しい決断は無私の精神から生まれる;
7章 判断ミスを防ぐための原則
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