「燃えるやつら」の育て方
ジーン・リップマンブルーメン、ハロルド・レヴィット(上田惇生編訳)「最強集団ホットグループ奇跡の法則―成果を挙げる「燃えるやつら」の育て方」、東洋経済新報社(2007)
お奨め度:★★★★★
ホットグループというチームコンセプトをテーマに書かれたチームマネジメント論。2001年に出版され、21世紀のチームマネジメントのあり方と話題になった本だ。
米国ではドラッカースクール(クレアモンド大学院)でテキストとして使われている本で、広く読まれているチームマネジメントの本だ。
ホットグループの提案者である著者のハロルド・レヴィット
ホットグループとはチームのメンバーに共有されるミッション中心の心のあり方
だと定義している。イノベーションなど、大きな変革を必要とする組織は、従来の組織はそのまま残し、その上に、無数のホットグループを必要とするというのがハロルド・レヴィットの主張だ。
といっても、抽象論ではない。第1部は熱いチームの実態の分析や解説であるが、第2部は「熱いやつら」の育て方、第3部は「破壊的な成果を生む秘訣」とノウハウが網羅されている。
90年代を代表するチームマネジメントの理論は、ジョン・カッツェンバックの
ジョン・カッツェンバック、ダグラス・スミス(吉良直人、横山禎徳訳)「「高業績チーム」の知恵―企業を革新する自己実現型組織」、ダイヤモンド社(1994)
である。この内容は非常に奥深いものがあるが、読みようによっては、ほっとチームの理論はジョン・カッツェンバックの理論の上に構築されているようにも思える。
ただ、プロジェクトチームという前提で考えた場合、ジョン・カッツェンバックよりは、ほっとチームの概念の方が重要だと思う。
前書きでトム・ピータースが絶賛しているが、やはり、21世紀を代表するチーム理論になる可能性が大きい。
プロジェクトマネジャー、リーダーは、ぜひ、読んでおきたい一冊である。
目次
第I部 最強集団の知られざる生態
第1章 奇跡の集団ホットグループ
第2章 希望の種を蒔く
第3章 戦略はミッションに従う
第4章 ミッション達成のためのアプローチ
第II部 成果を挙げる「熱いやつら」の育て方
第5章 いかにして「やつら」の魂に火を付けるか?――リーダーたる者の条件
第6章 「人」の共鳴からスタートする――指揮者型リーダーのための一二の心得
第7章 野性の叡智を躍動させる――パトロン型リーダーのための一〇の心得
第III部 「破壊的」な成果を生む秘策
第8章 多様なものに自由を与える
第9章 親組織とのトラブルを回避する方法
第10章 「想定外」の動きで大組織を変革する方法
第11章 成功と失敗の分かれ目
第12章 失われた個を求めて
第13章 躍動する魂が芽吹く場所――ホットグループはどこで活躍するか
第14章 ホットグループを歓迎しよう!
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