ERP、CRM、SCMと並ぶEMM
デイブ・サットン、トム・クライン(高宮治、千葉尚志、博報堂ブランドソリューションマーケティングセンター訳)「利益を創出する統合マーケティング・マネジメント」、英治出版(2006)
お奨め度:★★★★1/2
マーケティングという概念は分かりにくい部分があるが、それは、製品を企画し、開発し、販売するまでの一連の活動すべてであるにも関わらず、それらを体系的に取り扱う手法がないためである。
このため、ステージ間の連携においては、ヒューリスティック頼りの側面が強く、これがマーケティングはアートとサイエンスが混在しているといわれる一因になっている。
この本で提案されているEMM(エンタープライズ・マーケティング・マネジメント)は、これらの活動を統合的に扱うために考えられた手法である。統合的に使おうとするために、マーケティングのさまざまなステージにおける活動はすべて必然性と論理性が求められるようになり、これにより、マーケティングはサイエンスになる。
コトラーはこの本で紹介されているサットンとクラインの仕事を、「ERP、CRM、SCMと並ぶ効果効率の高い収益力のある事業運営のプラットホーム構成要素のひとつ」だと称している。
製品開発に関わる人は必読の一冊である。
目次
Introduction エンタープライズ・マーケティング・マネジメント
1 ブランドを、キャンペーンではなくビジネスとして運営しよう(マーケティングはアートではなく科学である
ブランド・アーキテクチャー ほか)
2 顧客ではなくブランドを管理しよう(ブランド・エクスペリエンスの主導権を握れ
マーケティングをCRMにつなげよう ほか)
3 コミュニケーションだけでなく、自分のビジネスを再構成する(ビジネスモデルの再構成
マーケティング投資収益率を測る ほか)
Conclusion マーケティングの新時代
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