非連続思考法
リュック・ド・ブラバンデール(森澤篤監訳、秋葉洋子訳)「BCG流 非連続思考法 アイデアがひらめく脳の運転技術」、ダイヤモンド社(2006)
お奨め度:★★★1/2
思い込みで失敗することは多い。これを防ぐには論理思考が有効だといわれている。しかし、もう少し、メタに考えると論理思考も思い込みである種の思い込みであることが、この本を読むと良く分かる。
物事を変えたいときは、ものの見方を変えると有効であるが、この本では、BCG流の具体的な方法や視点設定について説明している。
非連続思考法の象徴的な例として、南アフリカ共和国でアパルトヘイト(人種隔離政策)が廃止されたときに、住民のほとんどが思いついたシナリオは
・恩赦を与える
・すべてを裁判にかける
の2つしか思いつかなかった。前者は受け入れられない。後者は現実的にできない。これに対して、指導者が第3のアイディアとして
・許す
という発想をしたというエピソードが書かれている。とくに、二者選択の状況では、視点が狭まり、このような発想をするのは難しいものだ。このような発想がピンチを救うことは非常に多い。
コンサルタントとして活動するとき、あるいは、マネジャーとして率いるチームが停滞しているときには、ぜひ、この非連続思考法を活用したい。
この本は非連続思考について書かれた本だが、そのベースには一通りのオーソドックスな問題解決思考法がある。その解説が若干分かりにくいので、本格的にマスターしなたいなら、併せて、例えば、
齋藤嘉則「問題解決プロフェッショナル「思考と技術」」、ダイヤモンド社(1997)
といった本と併せて読むことをお奨めしたい。
第1章 変化には二つの段階がある
第2章 未完の世界
第3章 百聞は一見に如かず?
第4章 成功体験を乗り越える
第5章 二つの思考サイクル
第6章 想像力の魔術
第7章 アイデア工場
第8章 「アイデアを活かす」理想の経営者
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