パワー交渉術
ジム・トーマス(安達かをり訳)「パワー交渉術―絶対に成功する21のルール」、トランスワールドジャパン(2006)
お奨め度:★★★★
ジム・トーマスは弁護士や実業家であるとともに、世界的に著名なネゴシエータである。そのトーマスの交渉術をまとめた一冊。彼のノウハウのすべてが、
21のルールと、50の金言として整理されている。ルールは「7つの決定的なルール」、「4つの重要だが、当たり前のルール」、「10のちょっとしたコツのルール」の3つのカテゴリに分けられている。7つの決定的なルールとは
ルール1:タダで物をあげない
ルール2:高い要求から始める
ルール3:劇的な最初の譲歩の後には、極端に少ない譲歩をする
ルール4:早めにそして、マメに粘る
ルール5:個別に問題を解決してはいけない。最終的には、抱き合わせ案としてのみすべての問題を解決しよう
ルール6:「もうひと押し」して交渉をまとめる
ルール7:創造的な譲歩(価値が高く、低コストな)を追求する
の7つである。これに対して、ルール1では、トーマスの金言として
・代わりに何かを得ることなく譲歩をするな
・相手に「ノー」と拒否するのは避けるべし。「いいですよ、もし」の方がよい
などである。役に立つ一冊。
蛇足だが、この本の冒頭に、彼のお国柄による交渉術の巧拙に関する評論がある。彼によると日本人は世界でも屈指の交渉術を持つ国だそうである。これについては、こちら。
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