ザ・プロフェッショナル
大前研一「ザ・プロフェッショナル」、ダイヤモンド社(2005)
お奨め度:★★★★
「お~、ついに出た」と思い、手にしたが、次の瞬間にがっかりした。
プロフェッショナル論としては間違いなく一級品である。しかし、誰もが言っているようなことを大前流にまとめただけの本である。
大前は日本のビジネスマンでプロフェッショナルというときに、真っ先に出てくる一人であり、僕のもっとも尊敬するビジネスプロフェッショナルだけに、あえて、厳しい評価をしたい。
この本がで大前が言っているのは、先見する力、構想する力、分析する力(議論する力)、矛盾を適応する力、21世紀経済に対する正しい理解と洞察があって、ビジネスプロフェッショナルとなれるということである。
知りたいのは、どうすれば大前研一になれるかである。
大前研一は、80年代には間違いなく、トムピーターズと同じくらいの影響力を持っていたように思う。日本人では初めて、経営論のグルになる人だと思っていた。
しかし、年齢を重ねるとともに、普通の人になってきたように思う。それでも、同分野ではトップを走り続け、後塵を拝していないのだから、たいしたものだが、昔からの大前研一のファンは、だんだん欲求不満になっているのではないかと思う。
特に、ビジネススクールを作ってからはグルではなく、教育者になってしまったように思う。その延長線上にこの本があるように思える。
なぜ、大前研一があるのか?一般論的なプロフェッショナル論ではなく、彼の生き様をプロフェッショナルという視点から知りたい。次は、ぜひ、そんな本を出してほしい。
ちょっと書きすぎた嫌いもある。繰り返すが、大前研一の本としてみなければ、間違いなく一級のプロフェッショナル論である。
目次
第1章 「プロフェッショナリズム」の定義
第2章 先見する力
第3章 構想する力
第4章 議論する力
第5章 矛盾に適応する力
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