多様性をいかす組織
谷口真美「ダイバシティ・マネジメント―多様性をいかす組織」、白桃書房(2005)
お奨め度:★★★1/2
たぶん、日本で始めてダイバシティーマネジメントだけについて書いた本。学術書なので内容は硬いが、サーベイが多く、また、事例研究が豊富なので、ビジネスマンにも十分に役立つ本。
谷口先生は専門の一つがジェンダーダイバシティということもあり、ジェンダー・ダイバシティに1章が割かれているが、全体的には、人種、民族、文化などによるダイバシティの話題の方が多くなっている。
2章ではサーベイが中心だが、ダイバシティがどのようにさまざまな企業のパフォーマンス指標にどのような影響を与えるかが議論されている。もし、プロジェクトの中に異なる国の人や異性がいれば、考えさせられるデータが満載という感じ。
4章もサーベイが中心だが、ダイバシティーをパフォーマンス向上に活かすことのできる組織の作り方が議論されている。プロジェクトのチームビルディングの際にも役立つ内容。
5章は、製造業1社、イオン、マツダの3社の事例が、非常に詳しく書かれている。読み応えがある。
学術書のためか、高いし、ビジネス書と較べると読みにくいので、誰もに読んで欲しいとは言いにくいが、ダイバシティについて感心を持つ人であれば、読む価値ありの1冊。
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序章 本書の目的、構成、想定する読者
第1章 今起こりつつある変化
第2章 ダイバシティとパフォーマンス
第3章 ジェンダー・ダイバシティ
第4章 ダイバシティと企業の戦略的行動
補章 仮説のまとめ
第5章 ダイバシティ・マネジメントの事例
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