楽観主義で行こう
マーティン・E.P. セリグマン(山村宜子訳)「オプティミストはなぜ成功するか「新装版」」 講談社文庫(1994)
お奨め度:★★★★
楽観主義が成功しやすい理由を心理学的な見地から書いた本。結構、小難しい本なのだが、途中に、自己診断などが入っており、結構、一挙に読める。
この本は悲観主義者が失敗しやすい理由を説明した後で、楽観主義者が成功しやすい理由を事例を引き出しながら書いているので、結構、納得しながら読める。
中でも興味を引かれるのは、過去のワールドシリーズで勝者となった選手や、選挙に勝利した大統領のコメントなどに着眼し、各人またはチームの楽観度を測り、そこから成功との相関性を探ろうとする部分。
この本を最初に読んだのは文庫化直後だったので、10年以上前であるが、経営者を見るときにこのような分析をする癖がついてしまった(笑)。おおむね、あたっている。
ただ、同時に、その間に、その人間に対する世間の「評判」を見ていると、必ずしもよくない。「考えが甘い」、「ポリシーがない」などと、徹底的にこき下ろさないと気がすまないらしい。きっと、日本人は楽観主義者が嫌いなのだと思う。
最近、この視点から注目しているのは小泉首相と、ホリエモン。小泉は冷酷だの、なんだのと言われているが、一番の本質はオプティミストだと思う。これが受け入れられるというのは国民性の変わる兆しか、、、
実は、この本の書評を書こうと思ったのは、来る総選挙で小泉首相がホリエモンにラブコールを送ったというニュースをみたから。注目!
※新装版が出ています。(鈴木)
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(2005.08.20)追記
この本は、オプティミストが成功の必要条件だということを言っているわけではない。ましてはや、十分条件だといっているわけでもない。
エスノグラフィー的な手法により、ただ、単に、成功した人にはオプティミストが多いという事実と、その分析をしている。
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