リーダーシップエンジン
ノール・ティシー、イーライ・コーエン(一條和生訳)「リーダーシップ・エンジン―持続する企業成長の秘密」、東洋経済新報社(1999)
お奨め度:★★★1/2
企業(組織)にとって持続的発展することは重要なミッションである。さまざまな議論はあるが、この点は普遍性があるだろう。
では、どうすれば企業は持続的発展できるか?これにはいろいろな視点があるだろう。ノール・ティシーの主張の興味深い点は、リーダーの育成にこの視点を置いていることにある。
つまり、持続的な発展が可能な企業とは、現世代のリーダーが次世代のリーダーを生み出すことのできる企業であるという主張である。これはきわめて興味深い。これはむしろ、逆の現象を見るとよく分かる。飛躍的に発展した企業には、大抵、優れたリーダーがいる。ところが、そのリーダーが次の世代にリーダーを生み出せないと、尻すぼみになる。
優れたリーダーたちが創り出した商品や技術がそのライフサイクルを終えると、組織そのものも縮退してしまう。
そのような組織を作らないためには、リーダーシップがエンジンとして引き継がれていくことが重要である。そのような指摘をしている本だ。
なお、本書の続編で、教育する組織を作る具体的な方法論を述べた本がある。こちらも併せて読まれることをお奨めしたい。
ノール・ティシー、ナンシー・カードウェル(一条和生訳)「リーダーシップ・サイクル―教育する組織をつくるリーダー」東洋経済新報社(2004)
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