動機づける力
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部「動機づける力」、ダイヤモンド社(2005)
お奨め度:★★★★
「最後は人」とはよく言われる言葉だ。これにはいろいろな意味がある。
その中で、マネジメント的に考えれば、やはり、「人を動かす」ということに尽きるのだろうが、人を動かすという話もそう単純ではない。
モチベーション理論もあれば、MBOもあるし、エンパワメントもあれば、信頼のような哲学的な話もある。最近では、感情(EQ)なども注目されている。いずれもゴールは「人を動かす」ことだ。
動機づけることには特効薬はなく、一面的な話ではなく、さまざまな側面から、さまざまな施策を実行して、少しずつ、実現されるものだろう。ところが、何か1冊の本を読むと、それですべて解決してしまうという錯覚に陥る。冷静に考えることが必要だ。
そこで、この本。「動機づける力」というテーマで、人を動かすことに関するハーバード・ビジネス・レビューの記事を集めて作られた本である。「人を動かす」ということについて、多くの面を鳥瞰している。
人を動かすことに興味をもっていれば、一度、読んでおきたい本である。
まえがき――優れたモチベーションのマネジメントとは何か
第1章◎モチベーションとは何か
第2章◎ピグマリオン・マネジメント
第3章◎MBO失敗の本質
第4章◎モチベーショナル・リーダーの条件
第5章◎フェア・プロセス:信頼を積み上げるマネジメント
第6章◎人を動かす知恵
第7章◎正しい苦言の呈し方
第8章◎ストーリーテリングが人を動かす
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