非常事態のリーダーシップ―危機を乗り切る9つの教訓
お奨め度:★★★1/2
先月紹介した岡村さんの
「実践プロジェクトマネジメント―危機を乗り越える25の決断」
はいろいろな人からコメントを戴いた。なかでも、危機のときにプロジェクトマネージャー(リーダー)は何をできるかということに結構関心を持っている人が多かった。この興味はある意味で、現実的であるとも思う。
好川はプロジェクトマネージャーは平時のリーダーシップと、危機のリーダーシップで、エンジンを切り替えることができなくてはならないと思っている。このようなリーダーシップエンジンの切り替えを行うためには、何よりも重要なことは危機の認識である。
危機というのは識別できなかったリスク事象が発生した状況のことを言うのが一般的だと思う(これはパラドックスであって、プロジェクトマネジメント的にはリスクではないのだが)。つまり、計画にまったくないことが起こったときのこと。これは、そもそも、発生を識別するのが難しい。マイケル・ムーアの「華氏911」の代表シーンに、911テロの状況を告げられたブッシュが7分間まったくアクションを起こさず、小学生の授業を見ているというシーンがある。実際に、ある種のコンテクストがないとこれをクライシスだとは識別できない。一台目が突っ込んだときには単なる事故だと考えてもおかしくない。かれが大統領であるという事実を除くと、これは結果論だといっても間違いではないと思う。
が、彼が大統領であるとすれば、明からリーダーシップの欠如だ。
こんなときに、どのようなリーダーシップを発揮できればよいかということのヒントになる本である。
日常的に危機に直面すると思っているプロジェクトマネージャーの方は、ぜひ、読んでみてください!
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