【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(2)】日本型雇用とコンセプチュアルスキル
バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/kimagure/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本ではホワイトカラー(総合職)の場合、働き方に「無限定性」を前提にしたマネジメントが行われています。つまり、今日までエンジニアだったとしても、明日から営業をやってくれといわれる場合があるわけです。
この背景には年功序列・終身雇用制があります。また、これを背景にして、職能制度が確立されています。
従業員は終身雇用で40年近く働くとしても、企業の方が同じ事業を40年にわたって継続できる可能性は極めて低いものです。すると、そこにやらせる仕事がない、ポストがないというジレンマが生じるわけですが、このジレンマを解消するには、別の仕事をさせるしかありません。このような状況はドラスティックな事業のリストラクチャリングを行わなくても生じます。
たとえば、自前の技術である製品を開発していた会社が、OEMに切り替えたとします。すると、その開発に従事していた従業員はOEM製品の販売に回るか、別の技術を要する別の分野の製品開発に従事するしかありません。
欧米の場合、基本的にジョブ(職務)雇用ですので、このような場合、その製品開発を担当していたエンジニアは解雇されるだけです。もちろん、それを前提にした人材流通のインフラがありますので、また同じジョブがある別の会社で働くことができるわけです。どちらが幸せなのか微妙なところですが、まだ、日本企業ではしばらく職能制度が続くと思われます。