【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(1)】コンセプチュアルスキルの起源
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このコラムではコンセプチュアルスキルやPMstyleのコンセプチュアルスキル講座につ
いて不定期に、また、一話完結でランダムなテーマで情報をお届けしたいと思います。
初回はコンセプチュアルスキルという概念がなぜ、生まれてきたかという話をしたいと思います。
1950年代に、ハーバード大学のロバーツ・カッツ博士が工場のマネジャー(管理職)に必要なスキルの研究をしました。その中でカッツ教授が発見したのは、職位の低い管理職、たとえば、作業長においてはテクニカルスキル(業務スキル)を中心にして、ヒューマンスキルで補完をしながらマネジャーの仕事をしている。
これに対して、工場長のような上位のマネジャーにおいては、テクニカルスキルに依存する割合は低く、その代わりにもっと包括的なスキルを活用していることでした(ヒューマンスキルは職位に関係なく、一定の割合で活用している)。
◆例~品質向上の指示
一つの例を挙げると、マネジャーとして「品質向上」の指示をすることを考えてみましょう。作業長だと部下に指示をする際に「○○作業は交差△△でお願い」というように業務ベースで具体的な指示を与えます。場合によっては作業方法そのものを指示することもできます。
ところが、工場長になるとそうはいきません。工場の作業者の一人一人に指示をすることは不可能です。たとえば、「後工程の望む品質で提供しよう」とか、もっと包括的な指示しかできませんし、する必要もないでしょう。
ここで問題は、どういうスキルがあればそのようなそのような包括的な指示ができるかということです。そこには、業務スキルでもなく、ヒューマンスキルでもない、何か別のスキルが存在していることに気づきました。それを、カッツ教授はそれをコンセプチュアルスキルと呼びました。
◆コンセプチュアルスキルの特徴は「本質を見極めること」
カッツ教授はコンセプチュアルスキルを分析している中で、コンセプチュアルスキルの特性として、
本質を見極めて、本質に働きかけるようなマネジメントをしている
ことを発見しました。たとえば、上の品質向上の例であれば、
品質を上げるための本質は工程間の連鎖にある
と考えています。そして、その本質を使って「後工程の望む品質で提供しよう」という方針を出しているわけです。
これはそんなにやさしいスキルではありません。現に多くの管理職は職位が上がるにつれて、いわゆるマイクロマネジメントに陥り時間がないことに悩んだり、管理をあきらめて放任主義に陥ったりしています。職位にふさわしいコンセプチュアルスキルを身につけて、適切に指示をしている少数派だと言えます。
このメルマガを読んだ戴いている方には、ぜひ、少数派になって戴きたいなと思います。
◆コンセプチュアルスキル講座のご案内
PMstyleではコンセプチュアルスキル講座を開催しています。
レベル・分野に分けていくつかの講座を開催していますが、今回ご紹介するのは、
総合の入門講座です。
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コンセプチュアルスキル入門~本質を見極め、行動するスキル ◆(7PDU's)
日時・場所:東京:2015年 07月 30日(木) 10:00-18:00(9:40受付開始)
銀座ビジネスセンター(東京都中央区)
京都:2015年 08月 04日(火) 10:00-18:00(9:40受付開始)
KYOTO de MEETING(京都市南区)
講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/conceptual_skill.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
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【カリキュラム】
1.概念的に考えて、具体的な行動をする
2.本質を見極めるスキル
3.洞察力を高める
4.応用力を高める
5.コンセプチュアルが行動を変える~ケーススタディ
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