PMstyle 2026年3月~6月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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2012年6月26日 (火)

【PMスタイル考】第48話:経験から如何に学ぶか

Keiken1◆経験でマネジメントを極める

よく、マネジメントには正解がないといいます。なんか、これも最近では思考停止ワードの一つになっているようで、「自己流でいいんだ」と解釈している人が増えているようです。

もちろん、自己流でいいのですが、無条件というわけではありません。

マネジメントに正解はないということはどういうことか。マネジメントは結果で評価されるということです。マネジメント自体は業務を円滑に遂行するための手段です。その業務がうまくいけばマネジメントはよかったといえますし、うまく行かなければマネジメントが悪かったと評価されるでしょう。

しつこいようですが、うまくいったマネジメントの方法が「正解」というわけではありません。たまたま、その状況でうまく機能しただけかもしれません。似たような別の業務で、同じマネジメントをしてもうまく行くとは限りません。

このようにマネジメントというのは大変厄介なものですが、マネジメントの道を究めるには何をすればよいのでしょうか?

そこで注目されるのが、経験です。

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2012年6月11日 (月)

【PMスタイル考】第47話:プロジェクトリーダーとしての「権威」を高めるためには

Kenni◆プロジェクトリーダーには権限が少ない?

プロジェクトリーダーに関してよく問題になることに、権限の問題があります。多いのは、プロジェクトリーダーには与えられる権限が少ないのではないかという不満です。

プロジェクトは本来、権限で動かすものではありません。大規模なプロジェクトになればなるほど、難しいと言われるのはこの点においてです。では、プロジェクトは何で動かすのか。

大きく分けると2つあると思われます。一つは、「権威」です。もう一つは、「対人関係」です。

この点をまず、念頭においてこの話を少し整理してみたいと思います。プロジェクトは権限で動かすものではないといいましたが、正確にいえば、権限だけでは不十分、言い換えると、プロジェクトを動かすのに十分な権限は与えられないということです。プロジェクトリーダーを組織職と明確に関係づけている、たとえば、プロジェクトリーダーは主任級以上といった場合には、組織職に見合うプロジェクトリーダーに権限を与えることがあります。しかし、これは便宜的な話であって、組織職の権限だけではプロジェクトがうまくできそうもないので、プロジェクトリーダーを決めてプロジェクトで業務を遂行するわけですので、本末転倒です。

プロジェクトリーダーの権限ということでいえば、プロジェクト憲章をつくるプロセスで上位組織と「権限闘争」を行い、獲得するのが本来の姿です。つまり、プロジェクトリーダーの権限は、プロジェクトによって異なるということです。プロジェクトリーダーが事業部長並みの権限を持つプロジェクトがあってもおかしくありませんし、まったく権限がなくてもおかしくありません。あくまでも、プロジェクトの属性に応じて、組織として判断し、決定すべきことです。

ただ、プロジェクトリーダーにそんな大きな権限を持たせることは現実的ではありません。そこで、冒頭のような不満がでてくるわけです。

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2012年5月29日 (火)

【PMスタイル考】第46話:失敗を認めるマネジメント

Sippai2◆イノベーションと不確実性

イノベーションへの関心が高まる中で、デザイン思考とか、アジャイル開発とか、リーン製品開発などのマネジメント手法が注目されています。現場で活用している人たちはそれなりの手ごたえを感じていると思いますが、組織としてみれば、なかなか、これらの手法は受け入れられない。プロジェクトマネジメントが、現場は乗り気ではない中で、組織として推進していったのと対照的です。

この違いを説明するキーワードは、不確実性です。それは、プロジェクトマネジメントは不確実を計画段階の事前検討で解消しようとします。不確実性があることは、できるだけやらないようにするわけです。これに対して、イノベーションで使われるマネジメント手法は不確実性の解消を実行しながら行います。

実行しながら、不確実性の解消を行うというのは、どういうことでしょうか?平たくいえば、分からなければやってみて決めるということです。ここに非常に重要な問題が潜んでいます。

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2012年5月10日 (木)

【PMスタイル考】第45話:「リーン」という思想

Lean◆広まっていくリーン

日本でもやっと、リーン製品開発を解説した本が出てきました。トヨタ生産方式から発展したリーン生産方式は製造業だけではなく、他の分野へも広く普及してきました。特にサービス業など、目に見えない生産活動に広まってきたのは特筆に値します。また、ソフトウエアの分野のように、リーン方式の開発手法を確立し、体系化している分野もあります。

これに対して、リーン製品開発は日本の企業ではほとんど行われておらず、これから普及していくのだろうと思います。

また、最近では、「リーンスタートアップ」という考え方が登場しています。事業や製品の立ち上げをリーンにしようという考え方です。

ということで、今回のPMスタイルは、「リーン」という思想について考えてみたいと思います。

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【PMスタイル考】第44話:プロジェクトマネジメントの持論について考える

Jiron3プロジェクトとして仕事をする機会が増えています。プロジェクトマネジメントの書籍はたくさんありますが、やっかいなことに、こうすればうまく行くという方法はありません。そんな中で、注目されるのが「持論」です。

◆改めて「持論」を定義する

辞書を引くと、持論とは「かねてから主張している自分の意見・説」とあります。このように定義すると実践的に根拠のない説も持論だということになってしまう可能性がありますが、本来の意味は実践知です。

日本のリーダーシップ研究の第一人者である神戸大学大学院経営学研究科の金井壽宏教授は、「リーダーシップ入門」(日経文庫)の中で、リーダーシップの持論を、

「実践から生まれ、実践を導いている理論」

と定義されていますが、まあ、このあたりが妥当なのだろうと思います。ここでは

経験から生まれ、行動を導いている方法論

を持論と呼ぶことにしましょう。

もう少し、持論のイメージを明確にするために例を挙げておきます。

プロジェクトマネジャーのAさんは、過去の経験から、「計画どおりにプロジェクトを進めていくには、計画を作るときには可能な限りステークホルダを巻き込んだ、裏付けのある計画を作ることが重要だ」と考えています。そして、毎回、計画を作る前に重視するステークホルダを決め、コンタクトし、計画の方針を相談しています。それが功を奏し、Aさんが担当するプロジェクトは毎回、問題が少なく、スムーズに進んでいます。

このように経験から生まれ、行動を導いている方法論が持論なのです。

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2012年4月 6日 (金)

【PMスタイル考】第43話:プロジェクトにおける創造性

Creative4◆囚人はどうやってトンネルを掘ったのか

構造化発明思考法という思考法をご存じでしょうか?

構造化発明思考法は問題を引き起こしている状況の中に、打開策を見出すという思考法です。この思考法の説明をするのによく使われる例があります。

2人の囚人が監房の床下に脱獄用の50メートルの穴を掘った。彼らは掘った土をいったいどこに隠したのか。

という単純な問題です。

答えを思いつかれた方は、創造性がある方です。

答えは、刑務所内の製パン所からナイロン製の袋を盗み出し、毎日、掘り進んだぶんの土を袋に入れていた。看守が見回る時間になると、袋詰めした土をすべて掘った穴に戻して監房はきれいにしていた。

というものです。ちなみに、脱獄した後の監房には、袋に詰まった土の山が残っていたというオチがつきます。

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【PMスタイル考】第42話:リーダーのメンバーに対する責任

◆はじめに

Communication先日、facebookページに「安全と安心」という記事を書きました。

安全と安心

今回はある意味、この続編で、プロジェクトにおいては、上位者が下位者を安心させる必要があるのではないかという話です。プロジェクトマネジャーはプロジェクトメンバーを、プロジェクトスポンサーはプロジェクト(マネジャー)を。

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【PMスタイル考】第41話:フィールドワークとデザイン思考

Kanrisyoku◆ミンツバーグの「マネジャーの仕事は細切れな仕事の連続である」という発見

最初にエスノグラフィーという言葉を聞いたのは、1995年に神戸大学のMBAコース(金井壽宏ゼミ)に通っていたときに、一般向けの授業で定性的研究方法論というのがあって、その中でした。当時はほとんどの人が聞いたことがない言葉だったと思いますし、正直なところ、もう一つピンとこないものがありました。

ただ、一つだけ印象に残ったことがあります。それは、講義の担当教官だった金井先生が紹介されたヘンリー・ミンツバーグの話です。ヘンリー・ミンツバーグは、「マネジャーの仕事は細切れな仕事の連続である」という事実を発見しました。それまでは、思い込みとして、マネジャーは重要な仕事をドンと構えてして行っているようなイメージがありますが、そうではなく、数十分から1時間程度の細切れの仕事で、どんどん、意思決定をしていくのがマネジャーの仕事だという正反対の事実を発見したのです。この研究で使った手法がフィールドワーク(行動観察)で、ミンツバーグは観察結果を「マネジャーの仕事」というエスノグラフィーとして書き上げました。これがおそらく、経営学の分野で初めて書かれたエスノグラフィーです。

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2012年3月26日 (月)

【PMスタイル考】第40話:プロセスとプラクティス

Process◆プロセスと再現性

エンジニアはプロセスにこだわる傾向があります。プロセスとは原因(入力)と結果(出力)の連鎖です。目標が決まれば、目標までの道のりは原因と結果の連鎖で表すことができるという立場をとっているわけです。言い換えると、再現性があるということでもあり、エンジニアリングにとっては再現性があることが極めて重要なことなのです。

(プロジェクト)マネジメントも例外ではありません。PMBOKには40を超えるプロセスが定義されており、それらの連鎖でマネジメント活動が表現(定義)されています。PMBOKの原型ができたのは1987年でもう20年以上前ですが、当時と比べるとプロセスの数は増えています。つまり、20年の間にいろいろなことが経験則として分かり、再現性がだんだん増してきているわけです。

ただ、マネジメントによる結果の再現性というのは難しいものがあります。たとえば、WBSを考えてみてください。非常にシンプルかつ強力な手法ですが、WBSを作ることによってスコープが明確になるということ一つとってみても、再現は難しいものがあり、当初はPMBOKのプロセスに含まれていなかったわけです。

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【PMスタイル考】第39話:チームと個人

Kojin◆意思決定は個人がするもの

PMstyleで「ファシリテーション・グラフィック」というセミナーを担当して戴いている日本ファシリテーション協会 フェローの加藤彰さんが、堀公俊さんと共著で5冊目の本を書かれました。タイトルは「ディシジョン・メイキング」。全体的には合意形成を如何にファシリテートするかという内容ですが、1章に多少違和感があるくらい、「意志決定は個人が行うものだ」と書かれています。

先日、機会があって加藤さんにその話をしたところ、加藤さんも堀さんもこの点にはこだわりがあるからとのことでした。

意思決定の本質は決めることではなく、決めたことを実行することにあります。とくに最近のように不確実性が高い環境においては、実行の重要性は高まっています。決定に仮説としての性格が強くなっているためです。

意思決定をグループやチームで行うことの意味は、そのグループやチームの全員が実行にコミットすることにあります。そのプロセスのイメージは、メンバーの各人が自分の意見を持ち、その意見の対立を乗り越えて、一つの決定に至り、それを実行していくというものです。

ところが、必ずしも、そうはなっていないケース、つまり、メンバーは意見を持たず、グループやチームの誰かの意見に対して、反対か賛成かの意見しか持たないケースが多いのです。合意形成というのは、賛成するということではありません。ちょっと微妙な言い回しになりますが、チームのすべての人が同じ意思決定をするということです。

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