PMstyle 2026年3月~6月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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2013年6月20日 (木)

【PMスタイル考】第68話:「してもよい」から「すべき」へ

◆「やってもよい」シンドローム

Hito1 昨年一度顕在化して問題になった、復興予算の別用途への流用が再び問題として顕在化してきました。この問題のやっかいなところは、法律的には問題はないことです。つまり、「やってもよい」ことをやっているだけだというわけです。

ところが多くの人は、このニュースを見て怒っています。法律上問題がないのが、余計、腹立たしいのかもしれません。

そこで、官僚はけしからんとなるわけですが、この問題、結構、民間の企業でもやっていることです。予算流用問題を少し抽象化して考えると、

「やってもよい」範囲で必要な事業を進める

ということをやっています。この問題と、いま盛んに議論されている消費税増税の際に大きな小売業が小さなメーカなどに消費税を転嫁するという行動とどこが違うのでしょうか?この行動も法律的には「やってもよい」ことです。つまり、大手小売業も

「やってもよい」範囲でやりたい事業を進めている

だけなのです。この大手小売業の行動にも違和感を感じている人は多いでしょう。なぜでしょうか?立場の弱いものをいじめているように見えることに違和感を感じているのでしょうか?


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2013年6月 3日 (月)

【PMスタイル考】第67話:コンセプトをイノベーションする

Concept6 ◆ライフサイクルとイノベーション

第58話の「イノベーションの視点」で、技術ライフサイクルとイノベーションの視点の話をしました。今回の話はその続きです。

まず、最初に復習ですが、技術ライフサイクルとは、以下のようなものです。

(1)揺籃期(生まれる)
  技術のユーザの求める機能は不明確であり、多くの考え方が提唱される
(2)成長期(育つ)
  ドミナントデザインが確立され、技術に対して共通したイメージが生まれる
(3)成熟期(働く)
  技術のユーザは技術の効用を重視
(4)衰退期(衰える)
  技術のユーザはその技術に投資をしなくなる

このライフサイクルの中で、技術イノベーションは揺籃期、および成長期に活発に行われます。特に、成長期にドミナントデザインが確立されると、イノベーションの評価指標(性能や機能の着眼点)が決まりますので、一挙にイノベーションの競争が起こります。性能競争とか、小型化競争などです。

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2013年4月 8日 (月)

【PMスタイル考】第66話:チームになろうよう

Term ◆日本の最大の問題はチームがないことだ
 
昨年になりますが、米国の起業家である齋藤ウィリアム浩幸さんが、「ザ・チーム」という本を上梓された中で、「日本にはグループはあるが、チームがない。これが日本の最大の問題だ」と指摘されました。この指摘は多くの人に衝撃を与えました。日本人の多くは、自分たちはチームワークがよく、チームで仕事をしていると思っているからです。
 
齋藤ウィリアム浩幸「ザ・チーム (日本の一番大きな問題を解く) 」、日経BP社(2012)
 
5年以上前になりますが、PM養成マガジンでセミナーを盛んに行ってきたときに、実はチームをテーマとして手掛けようとしたことがあります。何回かワークショップをやって、いろいろと事情があって挫折してしまったのですが、このとき、いろいろと学ぶことがありました。
 
 

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2013年4月 1日 (月)

【PMスタイル考】第65話:概念化で体験を経験に変える

Keiken2 ◆注目される「エクスペリエンス」

最近、注目されている言葉に「エクスペリエンス」という言葉があります。たとえば、アップルはジョブズの時代から「エクスペリエンス」という言葉を使っていました。最近では、マイクロソフトが、Windows8とか、Office2013で「エクスペリエンス」という言葉を使っており、これで認知度が高まりました。

辞書を引くと「エクスペリエンス(experience)」とは、体験とあります。アップルやマイクロソフトがいう「エクスペリエンス」はどこでもできる単なる体験ではなくて、「特別な体験」、「これまでになかった体験」といった意味でなのでしょう。たとえば、アップルストアにいくと、特別な体験ができる。

さて、「experience」という単語には体験以外に、経験という言葉が当てられることもあります。体験と経験はどう違うのでしょうか?これも辞書で引いてみると

体験とは自分で実際に経験すること

となります(これ英語でどう表現するのでしょうか)。

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2013年3月15日 (金)

【PMスタイル考】第64話:概念化スキルについて考える

Concept3_2 ◆概念とコンセプト

概念化スキルという言葉があります。日経BPの谷島宣之さんに言わせると、「概念」と「化」で引いてしまう人が多い言葉だそうです。

概念は日本語では「コンセプト」という言います。ところがコンセプトは少し違った意味で使われています。53話「プロジェクトのコンセプトとデザイン」でも述べましたが、

新製品開発プロセスやプロジェクトにおいて、創出されたアイデアをだれにどのようなベネフィットを与えるものかを明確かつ詳細な言葉に落とし込んだもの

という意味で使います。

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2013年2月18日 (月)

【PMスタイル考】第63話:リスペクトする

Respect◆成果の出せないメンバーをリスペクトするのか

一番最初にプロジェクトマネジメントの研修のテキストを作ったときに、チームマネジメントには、ダイバーシティとリスペクトという2つのキーワードを書きました。体罰がいろんなところで表にでてきて、その中でリスペクトという言葉が注目されるようになってきましたが、たまたま、PM養成マガジンの10周年記念のイベントで持論発表会をやったところ、リスペクトというキーワードがでてきて議論になったので、今回はリスペクトについて考えてみたいと思います。

持論発表会でのやりとりは、

メンバーをリスペクトするが、モチベーションを上げることはしない

という持論に対して、

モチベーションが低く、成果の出せないメンバーをリスペクトするのか

という質問が出てきました。

この議論が体罰の本質です。成果を出せない奴は尊敬に値しない、だから殴って分からせるのだ。少し乱暴ですが、体罰をする指導者の思いはそんなところだろうと思います。日本人が誰かを尊敬するというときには、尊敬に値する理由が必要なのです。スポーツではこれが勝利至上主義につながっていると思われます。

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2013年1月31日 (木)

【PMスタイル考】第62話:「摺合せ」神話

Suriawase◆摺合せとは

日本人のビジネスマンが好んで使う言葉の一つに、「摺合せ」という言葉があります。摺合せができる能力というのは高く評価される傾向があります。

日本語としての一般的な意味は

交渉事などで、それぞれの情報などを出しあって調整し、妥協点を見いだしてゆくこと

で、「和を以て貴しとなす」日本流のビジネスでは日常的に使われる言葉です。たとえば、落としどころを擦り合わせるとか、契約条件を擦り合わせるとかいいます。ITのように要求仕様をすり合わせるといった使い方をすることもあります。

摺合せは機械工学で専門用語としても使われ、その場合は、

機械部品の仕上げを行う場合に、部品表面が正しい均一面をもつように精密に仕上げていく作業。

を意味します。

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2013年1月21日 (月)

【PMスタイル考】第61話:イノベーション・イニシャティブ

Innovation1◆イニシャティブ=幸福

「イニシャティブ」という言葉があります。戦略イニシャティブ、システムイニシャティブといった使われ方をする言葉です。日本語でいえば取り組みという意味だと思いますが、そこには、主体性が絡んできます。

セス・ゴーディンは、これからの組織のあり方を描いた著書「トライブ」の中で、トライブ(単語は部族と言う意味だが、コミュニティに相当する)を推進するものとして、

イニシャティブ=幸福

という方程式を示しています。どういう意味かといいますと、斬新でスタイリッシュ、常識破りで現代的な魅力のある製品やサービスを作りだすにはイニシャティブが大切で、そのような製品やサービスを生み出すことは「最高に面白い」という副作用をもたらす。そして、面白い仕事は人を夢中にさせ、人生を素晴らしいものにする。だから、「イニシャティブ=幸福」なのだそうです。

ゴーディンらしいロジックですが、斬新さに対して市場が高く評価するものを生み出すにはイニシャティブが重要だということは真実でしょう。

ポイントは主体性にあります。イニシャティブは単なる取り組みではなく、主体的な取り組みなのです。主体的だからこそ、常識を超えた斬新なものが生まれる。そして、ゴーディンのいうようにイニシャティブは人を夢中にさせ、幸福をもたらすのでしょう。

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2013年1月15日 (火)

【PMスタイル考】第60話:与党思考と野党思考

Yoto◆野党とは

選挙も終わりました。3年半の民主党政権で強く印象に残っているのは、最後まで野党だったってことです。消費税アップの決定とか、原発の稼働とか、国民に受けが悪いことをやるときには与党であることを強調していましたが、言動を見ていると最後(選挙戦)まで野党だったように思います。そして、これが国民から評価されるような成果が出せなかった理由ではないかと思います。

辞書を引くと、「野党」とは

政党政治において、政権を担当していない政党

とあります。

政党政治において、政権を担当している政党

とあります。

最近、大和ハウスのCMで、深津絵里さん(妻)とリリーフランキーさん(夫)の扮する夫婦の関係が、野党だ、与党だというCMがありますが、政治だけではなくこの言葉はいろいろな意味で使われています。その一つが、企業です。

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2012年12月20日 (木)

【PMスタイル考】第59話:組織力を高めるプロジェクトマネジメント

Sosiki◆組織力を高めるには

今回はちょっと重めのテーマです。「組織力」という言葉があります。組織力の定義というのは意外と少ないのですが、たとえば、慶応大学の清水勝彦先生は「組織の目的をより効果的、または効率的に達成する力」だと定義されています。そして、組織力を高めるとは「目的達成のためにそこに集まる個人の力を結集し、個人の力を総和以上の力を発揮すること」だと述べています。

ちょっと固苦しい定義だと思う人は、もっと単純に、個人が一生懸命仕事をしたときに、それが組織としては人数以上の成果になると考えてください。逆に、個人が一生懸命仕事をしているのに、組織としては成果が出ていないケースがあります。これは、組織力がない組織です。

では、組織力を高めるためには、何をすればいいのでしょうか?清水先生の定義に従うと、まず、組織の目的が共有されなくてはなりません。その上で個々人の役割が明確に認識され、その役割が果たされる必要があります。

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