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2019年5月

2019年5月31日 (金)

【PMスタイル考】第151話:コンセプチュアルスキルがマネジメントのクオリティを向上させる

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ 

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Cmp

◆習熟度、コンピテンシー、ヒューマンスキル、センスといった説明

マネジャーとして同等な知識を持っている人のマネジメント行動が大きく違うことは珍しいことではない。なぜだろうか?

マネジャーとしての知識というのは非常に多様なので、プロジェクトマネジャーに限定して議論しよう。こちらは知識は明確だ。米国、欧州、日本など、地域によっていくつかの流儀はあるが、体系は違うが内容はほとんど同じだ。たとえば、PMBOK(R)を知っている人、もっと限定すればPMP(R)の資格を持っている人と限定してもよいが、プロジェクトマネジャーとしての行動は異なるし、当然のことながら成果も違っている。

この違いを表すのにさまざまな説明がされている。たとえば、習熟度、リーダーシップ、コンピテンシー、ヒューマンスキル、センスなどほんとうにさまざまだ。それぞれの範囲も曖昧なのである要素の概念は合間であるが、いずれも妥当な要素であるし、ある程度違いの説明にもなっている。

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2019年5月14日 (火)

【コンセプチュアルスタイル考】第49話:WHYの階層を意識する

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9984019/ 

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【参考文献】
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim
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Why1

◆WHYによる深堀りが難しい理由

「トヨタの5WHY」、「なぜなぜ分析」などにみられるように、WHYによる分析は本質的な問題や要求を探し出すために古くから有効に活用されています。ところが、WHYを繰り返して深堀りするだけの一見単純な手法が、意外と難しいのが現実です。

理由は、WHYによる問いに筋の良し悪しがあるからだといえます。

例えば、あなたが誰かから繰り返し、WHYを聞かれることを考えてみてください。例えば、働き方改革の取り組みの中で、新入社員から

「なぜ、仕事は定時内に終わらなくてはならないのか」

訊かれたとしましょう。これに対して、

(1)「コストを減らしたいからだ」

と答えた場合と

(2)「全員が早く帰れるようにしたい」

と答えた場合では、最終的に行き着くところが違ってきます。

(1)だと、例えば、

「コストを減らしたい」
(なぜなら)「利益を増やしたい」
(なぜなら)「株価をあげたい」

といった掘り下げになるでしょう。つまり、「仕事を定時内で終わる」という取り組みの本質は「株価を上げる」ことになります。これに対して(2)だと、例えば

「全員が早く帰れるようにしたい」
(なぜなら)「従業員に自分の時間を持ってほしい」
(なぜなら)「公私とも充実した人生を送って欲しい」

のような掘り下げになるでしょう。つまり、「仕事を定時内で終わる」という取り組みの本質は「従業員に充実した人生を送れる環境をつくること」になるわけです。

このようにWHYによる掘り下げの目的がやっていることや問題の本質を見極めることだとすれば、本質としてどちらが適切かという議論になります。この適切さが「筋の良さ」になるわけですが、まず最初のポイントは掘り下げの方向性を決める最初のWHYに対する答えです。

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