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◆iPhoneは顧客の声で作れるか
アップルもスティーブ・ジョブズからティム・クックにバトンが渡り、ジョブズの時代には考えにくかった宿敵IBMとの提携など、独自の戦略でさらなる成長をしようとしています。同時に、製品はあまり目新しさがなく、それを批判する人もいますが、まあ、そこは、価値観の問題だといえるでしょう。
最近のアップルを見ていて思ったのは、iPhoneの最新バージョンであるiPhone6は最初の1ヶ月でこれまでにもっとも売れた製品ですが、iPhone5からiPhone6は顧客の声を聞いていたら作れそうな気がします。実際にスペックを見てもたとえばサイズを大きくしたことなど、顧客の声を取り入れて作ったように見えます。
ところが、初代のiPhoneは顧客の声を聞いていてもできなかったでしょう。そもそも、この段階では顧客とは誰かという問題もありました。iPhoneの2代目以降は主たる顧客は既存ユーザで比較的明確だったわけですが、顧客の声をあまり聞かないという傾向はiPhone3くらいまでは顕著だったように思えます。
良くいえば、顧客の期待を超える製品を出し続けてきた結果として、今のiPhoneがあると言ってもいいでしょう。事実ジョブズの有名な言葉に「ユーザは自分が何が欲しいのか分かっていない」という言葉がありますが、まさにこの前提で顧客の期待以上の製品を生み出してきたといえるでしょう。
今回のテーマは、顧客の期待を超えるにはどうすればよいかを考えてみたいと思います。