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2014年5月15日 (木)

【プロデューサーの本棚】Fearless Change

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Mary Lynn Manns、Linda Rising(川口 恭伸監訳、木村 卓央、高江洲 睦、高橋 一貴、中込 大祐、安井 力、山口 鉄平、角 征典訳)「Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン」、丸善出版(2014)


イノベーション(変革)を組織に広めていくための方法論を、「パターン」を活用して行うための方法、および、そのパターンを示した一冊。

示されているパターンは、変革の達人であれば誰もが行っている当たり前のもので、それをパターンとしてどのように表現し、そのように活用をするかに焦点を置いて議論している。そして、パターンはナレッジマネジメントの一つの形式だとしている。

この本で、イノベーションを広めていくためのパターンとして取り上げられているのはこの記事の最後に示す48個。それぞれのパターンについてはパターンランゲージの発案者とされる建築家クリストファー・アレグザンダーの形式を多少変更し、以下のような構成要素からなるフォーマットになっている。

・パターン名
・はじめに
・要約
・状況
・問題
・フォース
・解決方法
・結果状況
・使用例

となっている。

変更されているのは、最初に「はじめに」としてオープニングストーリーを記述するようにしたこと。および、結果状況として、そのパターンを適用した場合に想定される良い結果を悪い結果を記述するようにしたことの2点である。

それ以外はアレグザンダーのパターンフォーマットを踏襲している。アレグザンダーのパターンランゲージについてはこちらを参考にしてほしい。

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クリストファー・アレグザンダー(平田 翰那訳)「パタン・ランゲージ―環境設計の手引」、鹿島出版会(1984)

パターン名はコミュニティ内でパターンを使うときに言語となるもので、もっとも重要な要素である。最後に示した48はパターン名である。また、要約にストーリーの要約が記述される。

パターンは基本的に特定の状況における問題とそれを解決するためのナレッジであるので、状況、問題、フォース、解決方法が主要素となる。そして、使用例が示されている。

このパターンが想定していることがある。一つはイノベーションの普及プロセスであり、本書が想定しているイノベーションプロセスはロジャーズの提唱したプロセスであり、

(1)イノベーションの採用・不採用の決定までに
・知識
・関心
・決定
の3つの段階において、情報をまとめ、意見を形成する
(2)イノベーションが採用されると
・実行
・確信
のプロセスに進む

である。

もう一つはそのイノベーションプロセスに必要な要因であり、本書では

・チェンジ・エージェント
・組織文化
・そこにいる人々

の3つを想定している。

その上で、本書ではこのようなフォーマットで48のパターンを示しているが、前半においては、パターンの使い方をイノベーションが広まっていく流れを踏まえて示している。48のパターンには基本的には順序はないが、上に述べたようにイノベーションとして想定しているプロセスがあるので、それによってある程度の順序ができる。それをいくつかに区切って説明している。

まず、最初はスターとで、ここでは
・エバンジェリスト(1)
・予備調査(4)
・ふりかえりの時間(5)
・小さな成功(2)
・ステップバイステップ(3)
が重要だとしている。

次に、アイデアを展開する。その際には
・コネクター(8)
・達人を味方に(14)
・イノベーター(16)
・協力を求める(6)
・感謝を伝える(18)
のパターンが役立つ。その中でイノベーターやコネクター、達人に助けるを求めるときの会議のパターンとして役立つのは
・便乗(21)
・ブラウンバック・ミーティング(7)
・何か食べながら(9)
・適切な時期(23)
・種をまく(22)
・外部のお墨付き(12)
など10個示している。さらに実際に行動を起こすときに役立つのが
・やってみる(17)
・勉強会(25)
・メンター(37)
の3つ。また、実行に際して、他の人とコミュニケーションを行うために役立つのは、
・個人的な接触(20)
・テイラーメイド(26)
・相談できる同志(39)
などである。このほか、組織として公式の活動になったときの振る舞い方、みんなを説得する方法、できるだけ多くの人に影響を与える方法、継続的な活動にしていく方法、抵抗勢力と付き合う方法などについてパターンを使って説明している。

第2部では、事例として

シルビア・ローリーの事例
エドワード・カッツの事例
ジョン・クルーピの事例
匿名希望の事例

の4つを紹介している。パターンランゲージがどうして有効かがよく分かる事例が並んでいる。

そして、第3部では、以下の48のパターンについて記述が掲載されている。

【48のパターン】
1 エバンジェリスト
2 小さな成功
3 ステップ・バイ・ステップ
4 予備調査
5 ふりかえりの時間
6 協力を求める
7 ブラウンバッグ・ミーティング
8 コネクター
9 何か食べながら
10 電子フォーラム
11 アーリーアダプター
12 外部のお墨付き
13 グループのアイデンティティ
14 達人を味方に
15 空間を演出する
16 イノベーター
17 やってみる
18 感謝を伝える
19 次のアクション
20 個人的な接触
21 便乗
22 種をまく
23 適切な時期
24 定期的な連絡
25 勉強会
26 テイラーメイド
27 著名人を招く
28 経営層の支持者
29 正式な推進担当者
30 アーリーマジョリティ
31 達人のレビュー
32 体験談の共有
33 みんなを巻き込む
34 ちょうど十分
35 身近な支援者
36 場所重要
37 メンター
38 謁見
39 相談できる同志
40 成功の匂い
41 勢いの持続
42 トークン
43 橋渡し役
44 懐疑派代表
45 根回し
46 恐れは無用
47 お試し期間
48 将軍の耳元でささやく

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