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2013年7月 3日 (水)

【プロデューサーの本棚】課長塾 創造課 イノベーション実践ガイド

4822223833 日経ビジネス×日経BPビジョナリー経営研究所「課長塾 創造課 イノベーション実践ガイド (日経BPムック 日経ビジネス)」、日経BP社(2013)


日経ビジネスのムック「課長塾 創造課」。メインのタイトルは「イノベーション実践ガイド」である。おそらく、日本でイノベーション実践ガイドといえばアレックス・オスターワルダーの「ビジネスモデル・ジェネレーション」を思い浮かべる人が多いのではないかと思うが、そこはムックなので少し趣きが違う。

このムックはイノベーションを実践するときに、知っておくべきキーワードと知見を集めたようなムックになっている。なおかつ、イノベーションの範囲を非常に広範にとらえている。

表紙に置かれている文言をピックアップしてみると

・イノベーション
・イノベーター
・実践
・前例なき仕事と職場
・1億のつながり
・クラウドエコノミー報告書
・日本を変える
・ミドルマネジャー
・超スーパーイノベーション
・コンセプチュアルなスキル
・デザイン思考
・未来予測
・顧客開発
・ことづくり

と いった言葉が並んでいる。第1章と最終章がクラウドエコノミー報告書なるものからの記事になっており、この報告書が全体のキーワードというわけだ。この報 告書は、日経BP社が3410名の15歳以上、69歳までの男女に働くことを中心にした調査をした報告書である。この調査はクラウドで働き方が変わるとい う前提の調査だと思われるが、なんと50%の働き手が、働き方を変えたいと思っているという結果が出ている。調査はかなり細かく属性を分け、詳細に回答を 求めているので非常に興味深いものである。ただし、この議論の一番のポイントだと思う居住地のデータがブラインドされており、クロスもないので、まあ、首 都圏の話だと思って結果を見たほうがよいかもしれない。

このレポートの紹介も含め、全体が質問形式になっている。第2章は「チームの力で 世界を変える」というテーマで、ジェームズ・ダイソン氏、坂巻久氏をはじめとする実行力の人たちのインタビューが掲載されている。ダイソン氏の意見は「モ ノづくりを立て直すのはどのような人材でしょうか」、坂巻氏の意見は「課長が仕事を生み出すにはどうすればいいでしょう」という質問の回答としてまとめら れている。

第3章はケーススタディ「現場からの報告」。まずは、JR東日本の駅にいくと目立つ購入者の特性を収集する自販機の話。次は600人の起業を目指す東北のインキュベーション事業。などなど。全体の中でこの章が一番面白い。

第 4章は「巻き込みとデザイン」をテーマにして、斬新なサービスやアイデアを練るためのインクルーシブデザイン(井坂智博氏)、新しいアイデアが生まれる職 場の在り方としてのフューチャーセッション(野村恭彦氏)、リーンスタートアップ、コラボレーションといった話題が並ぶ。

第5章は「左右の脳をフル回転、見えないものを見る」というテーマで、

・現場の仕事には長けているが、企画や計画作りに苦労しています
 →具体的な問題をいったん抽象化してみましょう(好川哲人)

・斬新なアイデアをといわれても出てきません
 →異なる世界から借りて組み合わせてみましょう(細谷功氏)

・想うような企画を作れず、現場ではいつも同じ問題が発生します
 →洞察力があれば先を見通せます(峯本展夫氏)

などの問答が並んでいる。

そして最後は「クラウドエコノミー報告書」の詳細紹介。

課長塾シリーズのムックにしては、ボリュームがあり、内容も充実している。上にも述べたケーススタディーや事例は非常に面白く、クラウドエコノミー報告書関連の記事も考えさせられるものがあり、一読の価値のあるムックである。

◆プレゼント

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