【プロデューサーの本棚】戦略実行~立案から結果につなげるフレームワーク
マーク・モーガン、レイモンド・E・レビット、ウィリアム・マレク(A.T.カーニー、後藤 治、小林暢子訳)「戦略実行~立案から結果につなげるフレームワーク」、東洋経済新報社(2012)
米国でベストセラーになった「EXECUTING YOUR STRATEGY」の日本語版。
原書を読んでいたので、買ったままになっていたが、機会があって読んだ。訳もいいし、よい本だ。
2部に分かれていて、第1部は「正しい戦略を作るために」。
まず、「思い」のフレームワークとして、
・アイデンティティの明確化
・目的の明確化
・未来への意思を明らかにする
といった議論している。次に「ビジョン」のフレームワークとして、
・具体的な到達目標
・指標設定
について議論している。さらに、3つ目は「風土」のフレームワークとして
・戦略、文化、構造の整合
について論じている。
第2部は、「戦略を結果に結びつけるために」。
最初は、「協働」のフレームワーク。プロジェクトを介して、戦略を実現するための方法として、ポートフォリオのによるガバナンス環境について論じている。
次に統合の「統合」のフレームワークとして、ポートフォリオ管理について論じている。
最後は、「移行」のフレームワークとして、プロジェクトの成果をビジネスのメインストリーム(定常業務)に如何に渡すかを論じている。
いずれも概念的な説明だけでなく、ふんだんに事例を取り入れて説明しているので、知らない概念があってもそれなりに理解できる。
全体的に質の高い、マネジメントバイプロジェクトの教科書である。
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