PMstyle 2024年5月~7月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

カテゴリ

Powered by Six Apart

« 2012年8月 | メイン | 2012年10月 »

2012年9月

2012年9月25日 (火)

【PMスタイル考】第54話:フューチャーセンターとプロジェクト

◆さまざまな対話手法
Mirai1
「フューチャーセンター」なるものがブームになりつつあります。

この5年くらいで見ると、ファシリテーションのブームで対話に対する関心が高まり、より大規模な対話をしたいというニーズが強くなり、ホールシステムアプローチが注目されるようになりました。ホールシステムアプローチの代表はワールドカフェで、そのほかにもオープンスペーステクノロジー(OST)、AI、フューチャーサーチなど、続々と新しい手法が活用されるようになってきました。

これらの手法が組織開発を主たる目的にしているのに対して、イノベーションを目的とする対話手法も登場してきました。それが、フューチャーセンターです。

続きを読む »

2012年9月18日 (火)

【PMスタイル考】第53話:プロジェクトのコンセプトとデザイン

Concept3◆デザインという言葉の意味

デザインという言葉が市民権を得てきました。デザインという言葉は、典型的なカタカナ英語の一つで、従来、分野によってその意味するところが微妙に異なる言葉でした。

美術工芸品・工業製品などの世界では、形・色・模様など、いわゆる「意匠」という意味でデザインという言葉は使われています。図案という言い方をすることもあります。一般的にもこの意味がもっとも通りがよいのかもしれません。

技術の世界では、機能、方式、構成などの「設計」の意味で使われます。この場合、意匠と比べると、抽象度の高い使い方になります。この世界では、デザインという言葉より、設計という言葉の方が通りがいいようで、設計というと、機能の設計を意味することが多いように思います。

デザインという言葉は、何かを決めること、つまり、意思決定ですが、工夫をめぐらすというニュアンスが強くあるように思います。工業製品で使う意匠という言葉は、意も匠もそういうニュアンスの言葉で、含蓄があります。モノの形を決めるというのは、単に形状を決めているだけではありません。たとえば、カトラリー(洋食器のうちナイフ、フォーク、スプーンなどの金物類)を考えてみるとよく分かります。デザインは形と機能を決めます。そして、形は性能を構成しています。賛否はあるようですが、先割れスプーンなどはその典型だといえるでしょう。

続きを読む »

2012年9月13日 (木)

【講座のご案内】管理者向けプロジェクトマネジメント講座のラインナップ

Manager2プロジェクトとは特別な業務のイメージですが、商品開発をしている部門や、受注で開発をしている部門など、部門によっては業務の大半をプロジェクトとして行っている組織が増えてきています。

そのような部門においては、部門長や管理職は、業務オペレーションのマネジメント(PMBOKのような現場レベルのプロジェクトマネジメント)とは別に、成果や収益のマネジメントをするためにもう一段上の立場でプロジェクトをマネジメント(管理)する必要があります。彼らがマネジメントしなくてはならないのは、個々のプロジェクトではなく、自部門で実施しているプロジェクト全体です。

プロジェクト全体をマネジメントするには、個々のプロジェクトを適切に現場のプロジェクトマネジャーに権限委譲した上で、全体をコントロールするために必要な情報を収集するとともに、各プロジェクトに配分する経営資源を管理する必要があります。

このような活動を戦略的プロジェクトマネジメントと呼びます。管理者向けのプロジェクトマネジメント講座は、部門長や管理職を対象にした、戦略的プロジェクトマネジメントの講座です。

現在、以下のようなラインナップになっています。

続きを読む »

2012年9月11日 (火)

【PMスタイル考】第52話:イノベーションを活性化する組織のリスクマネジメント

Risk1◆リスクの構造

組織のリスクマネジメントに取り組んでいる企業の多くは、プロジェクトのリスクマネジメントの支援をすることを中心的な役割にしています。簡単にいえば、リスク計画のレビューや、リスクチェックリストの提供などです。これは適切なマネジメントなのでしょうか。今回はこの問題を考えてみます。

リスクの構造というのは

根本原因 → 脅威 → (リスク) → 損失

という構造になっています。よく使われる漏電による火事の例でいえば

根本原因:漏電
脅威:漏電部分の近くに引火物がある
リスク:引火物が火事を起こす(確率)
損失:火事

という構図でとらえます。

プロジェクトリスクマネジメントでは対応策は、回避、緩和、受容などを取ります。受容はなにもせずに火事が起こってから対応するための準備だけをしておくことです。たとえば、火事が発生したときに消火手順を決めておくといったことです。緩和は火事が起こってもそのダメージが小さくなるように対応することで、たとえば、消火器を準備しておくなどの対応策が考えられます。

続きを読む »