ワールドカフェへの誘い(1) ワールドカフェとは
PMstyleプロデューサーの好川哲人です。
今年度、PMstyleでは、定期的にワールドカフェ「PMsytle Cafe」を開催する予定です。
と思っていたのですが、ワールドカフェってなんですかという質問を戴き、「えっ」て感じで、瞬時に、反省。
数回に分けて、ワールドカフェについて解説をしたいと思います。ぜひ、どのようなものかをイメージしてください。
とはいいながら、この種の手法はやってみないと分からない部分があります。そこで、体験会も設定しました。詳しくはメールの最後をご覧下さい。
まず、初回は、ワールドカフェの基本知識とイメージをお話します。
◆ワールドカフェとホールシステムアプローチ
ワールドカフェは、1995年、アニータ・ブラウン、デイビット・アイザックスにより開発された対話の手法の一つです。もう少し、正確にいえば、ホールシステムアプローチと呼ばれる会話の手法の一つです。
ホールシステムアプローチは、「経営トップから管理者層、メンバー、協力会社まで、ステークホルダーが全員集まり、状況や背景を共有し、全員が話をし、人の話を聞くことで、全員で自分たちのありたい姿を考え、新しいアイディアや施策を生み出していく方法」(高間邦男、組織を変える「仕掛け」より)であり、トップダウンやボトムアップに替わる第3の会話手法だと言われています。
ワールドカフェ(あるいは、ホールシステムアプローチ)には前提があります。それは、
「知識や知恵は、機能的な会議室の中で生まれるのではなく、人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことのできる『カフェ』のような空間でこそ創発される」
という前提です。ワールドカフェが有効であるかどうかは、この前提を正しいと思えるかどうかにかかっているといってもよいでしょう。
◆ワールドカフェの特徴は、「他花受粉」
ワールドカフェの特徴は、「他花受粉」という考え方にあります。他花受粉とは、ミツバチが蜜を求めて色々な花の間を飛び回ることで、異なる花どうしが受粉して新種の花が生まれることです。ワールドカフェでは、花をテーブル、ミツバチをメンバーとみなして以下のような方法で対話をしていきます。
(1)テーマと質問に基づき、30分程度の対話セッションを行う。終わったら、テーブルホストを1名残して他のテーブルへ行く
(2)第2セッションでは、新たなメンバーを迎えたテーブルではテーブルホストがそれまでの話し合いをテーブルクロスに書かれた記録に基づき説明するところから始める。そこから会話を続けていく。
(3)第3セッションでは元のテーブルに戻る。この段階で「知らないことは何か」と「2~3の結論」を書き出す。そして、それをワールドカフェに参加した人全員で共有する
このように、メンバーは自分のテーブルでの会話を持って別のテーブルに移り、そこでそのテーブルの会話と自分の会話を融合していきます。そうすることによって、各テーブルでは思いもしなかった結論が生まれます。また、そのメンバーは、自分のテーブル、異動先のテーブル、全体と視座を変えて、会話をすることにより、質の高い気づきを得ることができます。
つまり、メンバーはミツバチとなり、自分の花の花粉を他の花に届けます。そして、違う花は受粉し、新しい果実を実につけます。そして、ミツバチはそれぞれの花の蜜を得ることができます。蜜は気づきで、これがワールドカフェに参加するメンバーの収穫です。
以上がワールドカフェの概要ですが、イメージをお持ち頂けましたでしょうか?次回は、もう少し、どんな点に留意してワールドカフェに参加すればよいかをお話します。
◆ワールドカフェ体験会へのお誘い(無料です!)
PMstyleCafeの第一弾は、好川が代表を務めるプロジェティスタ研究会とのコラボレーションで、
「仕事をワクワクする」
というテーマで、5月19日に行います。ぜひ、ワールドカフェの世界をご体験ください。
ところが、研究会メンバーであり、好川の知人でもある日経BP社の谷島宣之さんが、こんな記事を書いて下さり、あっという間に満席になってしまいました。
ということで、急遽、6月24日に追加開催をすることになりました。お申し込みはこちらです。
プロジェティスタ研究会主催 ワールドカフェ(追加開催)
◆ワールドカフェに関する書籍
何冊か出ていますが、僕もいろいろとご指導を戴いている、香取一昭さんの
香取 一昭、大川 恒「ワールド・カフェをやろう」、日本経済新聞出版社(2009)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532314887/opc-22/ref=nosim
がお奨めです!
(2010年5月9日改訂)
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