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2010年3月28日 (日)

プロジェクトリーダーから戦略実行リーダーへ

◆要求の取捨選択が求められる時代

過去5年間、プロジェクトマネジメントが注目され、プロジェクトリーダーの育成が盛んに行われてきました。プロジェクトリーダーは、市場や顧客の要求をくみ取って、それを商品やサービスとして提供していくことが任務です。その背景には、要求に対応していけば、企業は成長していくという前提がありました。

ところが、この前提は崩れつつあります。まず、市場や顧客の要求が経済的な合理性を欠くことが多くなってきています。つまり、顧客や市場の求める対価で商品やサービスの提供をしても、利益が出なくなってきています。現場はコストに関しては、乾いた雑巾を絞るようなコスト削減が行なってきたにも関わらずです。

もうひとつはもっと深刻な問題で、顧客や市場自身が、自らの要求を明確にできなくなってきました。つまり、市場や顧客の要求をくみ取ってというやり方が通用しなくなってきており、提供側が市場や顧客の意図を斟酌して、商品やサービスを提供していかざるを得なくなってきました。

このような問題を解決するには、従来のように「必要とあればなんでもやる」という流儀を改める必要があります。つまり、要求や顧客自体の優先順位を決めて、取捨選択をせざるを得なくなってきたわけです。

同時に、自社として提供する範囲を決め、そこに対して、資源を徹底的に投入して、提案力をはじめとする組織能力の強化をしていく必要がでてきました。


◆戦略では差別化できない

これらの取り組みをしている企業は少なくありません。戦略をみれば、このような方向性が示されています。しかし、その企業の現場では、相変わらず、顧客満足だとか、品質だとか、現場の独自の方針で動いているケースが多いのです。

一方で、多くの業界では90年代と異なり、戦略そのものでは差別化できない状況になってきています。要するに、どの企業の戦略をみても、大きな違いはないという状況になっています。特に、日本企業では戦略経営の前が、護送船団経営だったため、この傾向は顕著です。つまり、企業の競争力が、戦略自体ではなく、「戦略実行」の水準によって決まる状況になってきています。特に、2002年に出版されたラリー・ボシディと、ラム・チャランのExecutionがベストセラーになり、このような認識は定着してきたように思われます。その後、この傾向は進展し、この数年、実行力のための「学習」というのが大きな話題になっています。


◆戦略実行の仕組み

そこで、問題になるのが、戦略実行をどのように行うかという問題です。戦略実行に必要な仕組みは

(1)「経営の意図」を理解し、現場(事業)の方針に翻訳するための仕組み
(2)事業をするために必要な人材を開発し、活用する仕組み
(3)事業を業務に展開し、実施し、結果を戦略にフィードバックする仕組み

の3つです。このような仕組み作りと、仕組みを使った事業や業務のマネジメントは「戦略実行マネジメント」と呼ばれます。


このような変化の中で、役割の変化を求められているのが現場のリーダーです。これまでは、現場の業務の生産性を向上させ、失敗を防ぐことを役割としてきました。しかし、このような環境においては、現場のリーダーは、業務を成功させるだけではなく、現場の「努力」を経営の「成果」に変えていくことが求められます。つまり、業務リーダーから戦略実行リーダーへの役割が求められています。


◆プロジェクトリーダーから戦略実行リーダーへ

中でも、プロジェクトリーダーが大きなポイントになります。プロジェクトには、基本的に戦略実行のために行われます。プロジェクトマネジャーとしては、プロジェクトマネジメントを失敗させないことが重要な任務でした。今後は、それに加えて、プロジェクトを戦略上、意味のあるものにデザインしていくことが求められます。つまり、プロジェクトリーダーから、戦略実行リーダーへの変身が求められるわけです。

説明が長くなりましたが、この講座は、プロジェクトリーダーやマネジャー、シニアマネジャーレベルの人を、戦略実行リーダーとして変身させることを目的とした講座です。

戦略実行リーダー養成講座

http://www.pmstyle.biz/smn/strategy/managementlist.htm

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